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第23回GSJシンポジウム「日本列島の長期的地質変動の予測に向けた取り組みと今後の課題」

プログラム・ポスター発表

講演要旨集(GSJ 研究資料集 no. 610 PDF / 3.2 MB)

プログラム

13:00~13:10 開会挨拶
佃栄吉(産総研理事、地質調査総合センター代表)
講演
13:10~13:55 後期新生代、東北日本弧の火成活動史  吉田武義(東北大学名誉教授)
東北日本弧における後期新生代の火成活動史をレビューし,特に島弧火山活動期における構造発達史と火成活動との関係をまとめ,東北日本弧における火山活動様式,マグマ供給系,噴出物量,そしてマグマ組成の時代的変遷を論じる.
13:55~14:25 マグマ含水量分布からみたマグマ活動位置の評価 宮城磯治(活断層・火山研究部門)
火山出現可能性を考えるため,マグマ含水量の推定手段を開発し,東北日本弧に応用したところ,含水量は前弧側から背弧側に向けて減少する地理的分布をもつことが判明した.
14:25~14:55 スラブ起源深部流体
-その分布、成因と地震活動との関連について-
風早康平・高橋正明・尾山洋一・安原正也(活断層・火山研究部門),長谷川昭(東北大学名誉教授)
西南日本及び東北日本弧の地下水中に含まれるスラブ起源水の検出法を示し,その分布原因について示す.また,スラブ起源水の地殻内での役割について,地震活動等との関係を考察する.
休憩 
14:55~15:30
(ポスター発表コアタイム)
15:30~16:15 プレート運動からみた日本列島の地殻変動 高橋雅紀(地質情報研究部門)
復元された過去2500万年間のプレート運動の枠組みの中で,日本列島の地殻変動を再現することにより,第四紀(およそ過去300万年間)の東西短縮テクトニクスがきわめて特異な地殻変動であることを示す.
16:15~16:45 日本列島の応力場解析と長期の断層活動性評価 大坪誠(活断層・火山研究部門)
長期における断層再活動性の評価手法および日本列島における断層再活動性について示し,その成因や構造地質学的特徴に関する情報を整理する.また,現在の地殻応力場や各種地質学的・地球物理学的情報との比較検討結果をふまえて,断層再活動性の将来予測のために必要になる知見やアプローチについて示す.
16:45~17:30 超巨大地震と日本列島の造山運動 池田安隆(東京大学大学院理学系研究科)
日本の歴史上おそらく最大規模となった2011年の東北地方太平洋沖地震すらも,地質学的時間スケールでみれば,天変地異ではなくてごく普通の自然現象である.本講演では,地質学的な時間スケールでみた東北地方太平洋沖地震の特徴を紹介する.
17:30~18:00 総合討論
司会:渡部芳夫(深部地質環境研究コア代表)
18:00~18:10 閉会挨拶
桑原保人(活断層・火山研究部門部門長)

ポスター発表内容 (場所:ホワイエ)

火山・マグマ・熱水活動
1. 第四紀火山データベースの活用事例
-西南日本に分布する火山の時空分布-
西来邦章・伊藤順一
(活断層・火山研究部門)
長期的な視点で火山活動を理解するうえで有効な「第四紀噴火・貫入活動データベース」を紹介する.また,その活用事例として西南日本の第四紀火山の分布を示し,長期的な火山活動場の時間的空間的変遷について示す.
2. Southwest Japan intra-plate monogenic volcanism: a case study of San-in Pliocene volcanic centers.(西南日本のプレート内単成火山活動:山陰地域の鮮新世火山活動中心の例) Ngyuen Hoang・伊藤順一・宮城磯治・西来邦章
(活断層・火山研究部門)
「第四紀噴火・貫入活動データベース」の更新により,従来把握されていなかった第四紀火山が広く分布することとなった山陰地域を対象として,同位体地球化学によるマグマ成因検討を行った結果,従来のモデルを用いて解釈しても問題ないことが明らかになったことを示す.
3. 日本列島におけるマントル起源ヘリウムの分布とその原因 堀口桂香・風早康平・塚本斉・森川徳敏・大和田道子・仲間純子
(活断層・火山研究部門)
日本列島におけるヘリウム同位体比の分布をとりまとめた.その結果と,地球物理学および地質学的研究結果とを比較検討し,日本列島の各地域における深部起源流体の分布とその原因について考察する.
4. 瀬戸内地域における塩水の年代分布と海面変化の影響 戸崎裕貴・森川徳敏・風早康平・佐藤努・高橋浩・安原正也・大和田道子・高橋正明・稲村明彦
(活断層・火山研究部門)
海面変化が地下水系に及ぼす影響を解明することを目的とし,瀬戸内海沿岸地域を対象に検討を行った.地下水中の放射性塩素同位体(36Cl)を用いて塩水の年代(地下水中の海水成分の年代)を推定し,過去の海面変化の影響の実態把握を試みた結果を示す.
断層活動
5. 応力からみる断層活動性の時間変化 宮川歩夢(地質情報研究部門),大坪誠(活断層・火山研究部門)
長期的な断層の活動性を評価するためには断層の置かれる応力場の変化も想定した評価が必要になる.そこで,東北地方太平洋沖地震発生後のいわき地域での応力変化にもとづいて,湯ノ岳断層および井戸沢断層の活動性の時間変化について発表する.
6. 断層ガウジを用いた断層活動性評価手法
-研究の動機,試案と適用事例-
宮下由香里・間中光雄・伊藤順一
(活断層・火山研究部門)
断層破砕帯および断層破砕物質から直接断層活動性を評価するための手法開発研究を行ってきた.これまでに,断層の再活動ポテンシャルと断層ガウジの色調を軸とする評価試案を提案した.この試案を山口県岩国断層帯の評価に適用した結果,矛盾しないことが明らかとなった.
7. 断層ガウジを用いた断層活動性評価手法
-化学分析値の活動性指標としての活用-
間中光雄・宮下由香里・伊藤順一
(活断層・火山研究部門)
低活動性断層の活動周期とその断層に存在する断層岩の鉱物学的および化学的特徴を明らかにするために,断層岩の粉末X線回折分析,逐次選択抽出試験および色調測定を行い,断層岩中の粘土鉱物,鉄含量および色調の明度と活動周期の相関について議論する.
地殻変動
8. 宇宙線生成核種を用いた侵食速度の推定 城谷和代
(活断層・火山研究部門)
長期の侵食速度の推定法として,宇宙線生成核種によるこれまでの取り組みについて紹介する.効率化を目指した従来手法の改良点や,山地尾根や斜面等の様々な地形環境での当手法の適用事例について紹介する.
9. 海成段丘堆積物の堆積相とルミネッセンス年代による隆起速度評価 田村亨・伊藤一充
(地質情報研究部門)
地殻隆起速度の適切な評価と予測に関して、従来手法の問題点を見直し,その改善策として,海成段丘堆積物の堆積相解析とルミネッセンス年代測定を組み合わせた方法を提案する.さらには,この方法を青森県上北平野の海成段丘群に適用した結果について報告する.