第11回

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第11回「地下水のさらなる理解に向けて~産総研のチャレンジ~」

概要

地球上における水循環の一端を担う地下水は、従来の資源的側面に加えて、近年は環境因子として、特に物質を運ぶ媒体としてその役割の重要性が再認識されている。また、地震発生、断層活動、火山活動などの地質現象を考える上でも、地下水の挙動のさらなる理解が不可欠であると認識されつつある。 産総研では、これらの重要かつ新しいテーマを解決すべく、さまざまな分野の研究者が異なる視点や手法に基づいて地下水研究に取り組んでいる。本シンポジウムでは、産総研における地下水研究の最新成果を紹介するとともに、「持続可能な社会」「安全・安心な社会」の構築のために担うべき産総研の役割を議論する。

地質調査総合センター第11回シンポジウム
地下水のさらなる理解に向けて
〜産総研のチャレンジ〜

タイトル 地質調査総合センター第11回シンポジウム
地下水のさらなる理解に向けて 〜産総研のチャレンジ〜
日時 2008年3月19日 (水) 13:00-17:30
会場 秋葉原ダイビル5階カンファレンスフロア 5B 会議室

(東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル 5F)

主催 (独) 産業技術総合研究所地質調査総合センター
参加費 無料
定員 100名
事前参加登録 終了しました
CPD 希望の方のご登録 終了しました

13:00‐13:05

開会の挨拶 〜産総研の地下水研究のスコープ

加藤碵一 (産総研理事)

13:05-13:15

本シンポジウムの趣旨と構成

安原正也 (地質情報研究部門)

【基調講演】
13:15-13:50

わが国における地下水研究の流れと今後への期待

黒田和男 (前島根大学理学部教授・元地質調査所)

水の多様性や人間との係わりは、1927年、納富重雄が著書「水」に記述した。その後の地下水研究の主流は、もっぱら 「帯水層中から効率的に揚水すること」にあった。戦後、地下水流が電算により描き出されると、気・水・地圏にわたる水循環論をもとに、地下水が質、量ともに定量的に議論されるようになった。現在でも地下水の実態は井戸掘削で確認する以外に道が無く、その容器である地質の物性情報の細密化に併せて、議論が深く展開していくことを期待する。
【産総研における地下水研究の成果と展望】
13:50-14:15

都市域の地下水システムの研究

安原正也ほか (地質情報研究部門)

都市の地下水は、飲料・生活・産業用水としてばかりでなく、近年は防災・緊急用水あるいは景観・環境維持用水としても注目を集めている。このような都市の重要な自己水源としての地下水の保全と適切な利用を図るためには、その実態の詳細な把握と、生起する複雑な水文プロセスの解明・定量化が不可欠である。都市の地下水システム研究の現状と将来展望を議論する。
14:15-14:40

広域地下水流動評価 〜深層や沿岸の地下水を考慮して〜

丸井敦尚 (地圏資源環境研究部門)

広域の地下水流動を評価するために、これまでは流域単位の大スケールで流動を解析したり、より深部まで対象とした手法の開発が行われてきた。具体的には、メッシュリファインメント法やマルチトレーサー法である。本研究においては、地質の構造や水理地質の履歴を考慮してターゲットエリアを絞り込む方法で解析精度の向上を目指す、いわば、地層や地域を分割して地下水流動評価を実施する手法の開発を試みた。
14:40-15:05

深部流体のフラックスと成因 〜有馬型熱水について〜

風早康平 (地質情報研究部門)ほか

有馬温泉に代表される非火山性の有馬型熱水の近畿地方における分布を水の水素・酸素同位体を用いて明らかにし、その分布、化学・同位体的な特徴および流量などの情報を用いて、深部から上昇してくると考えられる有馬型熱水の成因およびテクトニクスとの関連性について考察する。
休憩 & ポスター発表
15:50-16:15

地下水で地震を予測する

小泉尚嗣 (地質情報研究部門)

現時点で、科学的に最も信頼されている前兆現象は、海溝型巨大地震の震源域周辺で本震の前に生じるゆっくりしたすべり (前兆すべり) とそれ伴う地殻変動である。産総研では、東海〜四国に地下水等総合観測網を整備し、地下水観測によって、東海・東南海・南海地震の前兆すべりを検出しようとしている。その手法と戦略について述べる。
16:15-16:40

地下水の超長期年代測定 〜ヘリウム同位体手法を中心に〜

森川徳敏 (地質情報研究部門) ほか

地下数100〜1、000mに胚胎する深層地下水の起源・性状の解明に必要な情報の一つとして地下水年代があげられる。 深層地下水は、流動速度が遅く、年代も古いことが予測されるため、浅層地下水に適用されている手法の適用では不十分である。本講演では、数万〜数十万年超の年代測定手法とその適用例について、ヘリウム同位体を中心に概説する。
16:40-17:05

水理特性と水文状態量を同時に把握する原位置調査

伊藤一誠 (地圏資源環境研究部門)

ボーリングによる地下水の化学、微生物環境の把握のためには、ボーリングによる原位置からのサンプル採取、分析が必要である。一方、シミュレーション等によって地下水流動を定量的にモデル化する際には、帯水層の水理特性の把握が必要であり、そのための原位置試験は化学環境等を擾乱する。ここでは、原位置でのボーリング、水理試験の地下水環境への影響を評価し、調査、試験による擾乱を最小化する手法を適用した事例を紹介する。
16:40-17:05

水理特性と水文状態量を同時に把握する原位置調査

伊藤一誠 (地圏資源環境研究部門)

ボーリングによる地下水の化学、微生物環境の把握のためには、ボーリングによる原位置からのサンプル採取、分析が必要である。一方、シミュレーション等によって地下水流動を定量的にモデル化する際には、帯水層の水理特性の把握が必要であり、そのための原位置試験は化学環境等を擾乱する。ここでは、原位置でのボーリング、水理試験の地下水環境への影響を評価し、調査、試験による擾乱を最小化する手法を適用した事例を紹介する。
17:05-17:25

総合討論

司会鈴木裕一 (立正大学地球環境科学部教授)

17:25-17:30

閉会挨拶

佃栄吉 (地質調査総合センター代表)

P1

地球化学的手法による都市域の浅層地下水涵養源の推定

稲村明彦ほか

P2

関東平野における断層系と広域地下水流動

林武司ほか

P3

東京湾周辺地域における地下水の流動ならびに環境の変化

宮越昭暢

P4

摩周火山と周辺の地下水システム 〜摩周湖からの漏水の及ぼす影響〜

安原正也ほか

P5

山形盆地の地下水水質

町田功ほか

P6

孔井地質および降水、表流水、地下水の溶質組成と同位体組成に基づいて推定された金丸地区の水文地質構造

関陽児ほか

P7

日本列島の海底地下水湧出量分布

伊藤成輝

P8

広域地下水流動における帯水層群別特性評価

吉澤拓也

P9

地下水流動と地下温度分布

内田洋平

P10

浅層地中熱分布とその利用のための研究 〜青森県の例〜

安川香澄ほか

P11

日本列島の温泉の特徴、分布ならびに成因

高橋正明ほか

P12

化学・同位体組成から見た阿武隈花崗岩中の亀裂水の特徴

高橋浩ほか

P13

岩手山周辺地域における地下水流動系へのマグマ性揮発性物質フラックス

大和田道子ほか

P14

雲仙火山周辺の地下水の地球化学・水文学的研究 : 地下水を介したマグマ性揮発性物質の散逸について

森川徳敏ほか

P15

想定東海地震の前兆すべりに対する産総研地下水観測網の検知能力

松本則夫

P16

断層の修復過程を透水性の時間変化によってモニターする

北川有一ほか

P17

地下水から紐解く地下生物圏の実態

鈴木庸平

P18

地質媒体の物質移行特性評価技術に関する研究

竹田幹郎、張銘