第12回

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第12回「地下水と岩石物性との関連の解明~産総研のチャレンジ~」

概要

地下のさまざまな地質現象を理解し、予測するためには原位置における計測手法のほか、地下と同じ環境を再現しながら実験室内の小さな空間で再現する計測手法も採用されています。産総研では、多様なバックグラウンドを有する研究者が、異なる視点や手法に基づいて地下水と岩石物性との関連の解明に取り組んでいます。本シンポジウムでは、地震現象のメカニズム解明から、地震断層の流体移動能力評価など地下10 km以上の深度を対象としている研究事例を紹介します。また、メタンハイドレート・二酸化炭素地中貯留問題へのアプローチ、水理学上重要なファクターである透水係数や比貯留率を実験室で精度よく求める手法の開発など地下1 km程度を対象とする研究事例も紹介します。
産総研における多岐にわたる研究実施例を紹介し、岩盤工学・水理学・地震学などの立場から進められている実験室内から自然現象を理解する試みについて紹介します。

開催概要

地質調査総合センター第12回シンポジウム
地下水と岩石物性との関連の解明
〜産総研のチャレンジ〜

タイトル 地質調査総合センター第12回シンポジウム
地下水と岩石物性との関連の解明 〜産総研のチャレンジ〜
日時 2008年5月08日 (木) 13:00-17:30
会場 秋葉原ダイビル5階カンファレンスフロア 5B 会議室

(東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル 5F)

主催 (独) 産業技術総合研究所地質調査総合センター
参加費 無料
定員 100名
事前参加登録 終了しました
CPD 希望の方のご登録 終了しました

プログラム

13:00‐13:05

開会の挨拶 〜産総研の岩石力学実験の可能性〜

加藤碵一 (地質調査総合センター代表)

13:05-13:15

本シンポジウムの趣旨と構成

高橋学 (地圏資源研究環境部門)

【基調講演】
13:15-13:50

難透水性地層中の地下水流れ・物質移行の定量的評価に向けて

徳永朋祥 (東京大学)

難透水性層中の地下水挙動・物質移行に関しては、多くの場合、帯水層を対象とした評価手法を適用した研究が行われてきている。一方、極端に遅い流れ場に対する定量的な検討が望まれるようになるに従って、いわゆる地下水学的なアプローチに加えて、新たな手法を構築することが必要となっているように思われる。本講演では、このような問題意識に基づき、発表者が今までに行ってきたいくつかの研究 (多孔質弾性論に基づく地下物性評価、同位体分別を用いた地質時間にわたる拡散挙動の直接的な評価、不完全な半透膜としての泥質岩の挙動) について、その現状と課題について紹介する。
【一般講演】
13:50-14:15

AEによる地震発生過程に関する実験的研究

雷興林 (地圏資源研究環境部門)

地殻の岩石は広範囲にわたる不均質性を有し、地震のような地殻の破壊はその大きさに対応するスケールの不均質性に支配される。高速・大容量・多チャンネルのAE波形記録システムの導入により岩石破壊に伴うAE活動を詳しく調べることが可能となり、断層形成過程のモデル化や誘発地震のメカニズムの解明やCO2地下注入におけるリスク評価に資する成果が得られた。
14:15-14:40

亀裂面間のせん断変位と透水性変化

高橋学 (地圏資源研究環境部門)

地下深部の各種応力状態を想定し、亀裂の出現やせん断変形中の岩石の透水性変化を室内実験シュミレーション的に実施し、データを蓄積してきた。各種難透水性透水試験手法の紹介を通してこれらの具体的なデータの一部を紹介し、併せて岩石の内部構造を拘束圧下で観察するX線 CT 事例についても紹介する。
14:40-15:05

圧密による泥岩中の亀裂の閉鎖と浸透率変化

高橋美紀 (地質情報研究部門)

二酸化炭素の地中貯留を維持するシール層である泥岩が亀裂を含んでいる場合、その流体移動特性はどうなるのか ? 我々は亀裂面を持たせた泥岩を圧密させながら浸透率を計測し、亀裂の閉鎖までの浸透率評価を実験的に実施した。浸透率評価法であるオシレーション法について解説を交えながら紹介する。
15:05-15:50 休憩&ポスター発表
15:50-16:15

無次元理論解析による室内物質移行試験の設計・評価法の検討

竹田幹郎 (地圏資源研究環境部門)

室内試験により岩石の透水性あるいは拡散性を測定するには、効率的に実験を行える試験法を選択するほか適切な評価式によるデータ解析が必要である。本発表では無次元パラメータを用いて各種試験法をモデル化し、試験法選択の目安となる試験時間、簡易評価式の有効条件、測定結果の潜在的誤差などを試験法相互に評価した結果を紹介する。
16:15-16:40

メタンハイドレート層内における流体流動の取り扱い -室内実験結果を基にしたシミュレーションへの適用

天満則夫 (地圏資源研究環境部門)

MH開発では、MH層の温度や圧力を変化させて、MHの平衡曲線をずらすことで水とガスに分解して、メタンガスの生産を行うことを考えている。しかしながら、様々な温度や圧力条件下での、MHを含む岩盤内の流体流動には未解明な点が多い。そこで、室内実験によるMHの物性値 (透水性、分解/生成等) の把握や、その現象のモデル化及びシミュレーターへの組み込み、ヒストリーマッチングによる生産シミュレーターの機能開発を進めている。
16:40-17:05

クラックの構造から見た岩石の力学・透水挙動

竹村貴人 (日本大学)

岩石 (岩盤) は破壊の進行に伴いクラックが進展し、最終的に地震の発生やトンネルの変形などの被害をもたらす。このようなクラックの進展は力学挙動のみならず、水みちとして機能することで岩石の透水挙動も変化させる。ここでは、岩石の破壊実験結果とクラックの観察事実を強く反映した形で岩石の力学・透水挙動を予測しそのメカニズムについて話題を紹介する。
17:05-17:25 総合討論

ポスター発表

P1

石の超微小変形とその制御 -先端産業技術への貢献-

竹村貴人 (日本大学)

P2

鉱物の脱水反応と地震発生メカニズム

高橋美紀 (地質情報研究部門)・溝口一生・増田幸治

P3

三軸圧縮と三軸伸張試験における変形特性の差異について

高橋学 (地圏資源環境研究部門)

P4

メタンハイドレート堆積物の力学特性と構成方程式

宮崎晋行 (メタンハイドレート研究ラボ)・桝井明・羽田博憲・坂本靖英・山口勉

P5

トレーサー試験などによる地熱貯留層内流体挙動の解析

柳澤教雄 (地圏資源環境研究部門)

P6

三軸応力下の砂岩の力学特性に及ぼすCO2圧入の影響

竹原孝 (地圏資源環境研究部門)・及川寧己・當舎利行