福徳岡ノ場火山2021年

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福徳岡ノ場火山2021年噴火と漂流軽石災害情報
Drifted pumice of the 2021 eruption of Fukutoku-Oka-no-Ba submarine volcano

活断層・火山研究部門
更新:2021年11月19日
開設:2021年10月22日

 2021年8月13~15日、小笠原諸島の硫黄島の南方約60kmに位置する海底火山である(福徳岡ノ場ふくとくおかのば)火山(日本の火山データベース)で高い噴煙を立ち上げ、多量の軽石を噴出する大規模な噴火が発生しました(写真1)。この噴火で発生した多量の軽石は、海流にのり約2ヶ月をかけて1300kmほど離れた南西諸島に漂着し始めました。

 産総研地質調査総合センターでは、この福徳岡ノ場で発生した噴火現象の研究とあわせて、南西諸島に漂着する軽石についての現地調査等も進めています。このページでは、その調査結果などを紹介します。なお、記載された内容は今後の調査研究の進展により修正・変更することがあります。

写真1 福徳岡ノ場2021年の噴火の噴煙。8月13日18時頃、硫黄島より撮影。

写真1 福徳岡ノ場2021年の噴火の噴煙。8月13日18時頃、硫黄島より撮影。

Photo 1 Distant view of the 2021 eruption of Fukutoku-Oka-no-Ba, with volcanic lightning and eruption column. Taken from Ioto Island around 18:00 on August 13.

今回の噴火概要
Summary of the eruption

 今回の噴火は、気象衛星ひまわり8号の映像から、2021年8月13日5時57分頃から発生したことがわかりました。この噴火のクライマックスは、8月13日13時20分~19時50分の間に16~19kmほどの高さまで噴煙を上昇させた噴火でした。その噴煙は、320km離れた小笠原諸島父島からも確認できました(日本の火山データベース)。その後、連続的な噴火を挟みながら徐々に間欠的な噴火に移行し、15日15時55分の噴火を最後に気象衛星ひまわりからは噴火を確認することができなくなりました。この一連の噴火は、VEI=4、噴火マグニチュード=4.5~5.1と推定され、明治以降に発生した日本列島における噴火の中では最大級の噴火であり、1914年の桜島火山大正噴火に次ぐ規模のものでした(及川ほか、2021)。

 この噴火により、火口近傍に厚く堆積した噴出物により新島が形成されたほか、多量の軽石が火山の周辺の海面を埋め尽くしました。海面を埋め尽くした軽石(軽石いかだ)は、海流によって引き延ばされながら西に移動し、10月4日には沖縄県の北大東島・南大東島、10月10日には奄美群島喜界島、10月11日には奄美大島、10月13~14日には沖縄本島や久米島、鹿児島県与論島と、大東諸島や南西諸島に多量の軽石が次々と漂着しています。多量の軽石が漂流・漂着することにより、漁業やフェリーの航行にも支障が生じています。

現地調査報告
Field survey reports

福徳岡ノ場の活動履歴
Eruptive history of Fukutoku Oka-no-Ba

 1904~05年、1914年、1986年には噴火により新島を形成(いずれも消滅)。1992年11月、2005年7月、2010年2月に浮遊軽石を放出するような海底噴火。また、1986年の噴火以降、噴火が認められていない時期でもしばしば変色水域が目撃されています。詳しくは、産総研1万年噴火イベントデータ集をご覧ください。

火山噴火予知連絡会資料

福徳岡ノ場に関して、産総研から火山噴火予知連絡会に提出した資料を公開しました。

参考文献

 及川ほか(2021)小笠原諸島,福徳岡ノ場における2021年8月の噴火.日本火山学会予稿集,120-120.

関連情報

産総研・地質調査総合センターでは、福徳岡ノ場に関して、以下の関連情報を公開しています。

更新履歴

  • 2021年11月19日 「福徳岡ノ場を起源とする軽石の特徴」を掲載
  • 2021年11月9日 「沖縄本島に漂着した軽石の状況(第2報)」を掲載、ページ構成を変更
  • 2021年10月27日 「海上を漂流する軽石いかだ」を掲載
  • 2021年10月22日 開設

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