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浅間火山2019年噴火情報

活断層・火山研究部門
更新:2019年12月26日
開設:2019年8月8日

 浅間火山では、2019年8月7日に噴火がありました。産総研 地質調査総合センター (GSJ)は8月8日、現地調査チームを派遣しました。
 調査結果は本ウェブサイトにて、随時公表していきます。

浅間山2019年8月7日噴火の降灰状況(速報)

 浅間山(写真1)での2019年8月7日22時8分の噴火をうけて、降灰状況や噴出物の産状などを確認するため、8月8日に現地調査を行いました(写真2)。

 火口から4 km以上の地域に降った火山灰は、細粒で、泥サイズ(径1/16 mm以下)の粒子を多く含みます。降灰の産状から、それら細粒火山灰は直径数百μmほどのサイズに凝集して降下してきたことがわかります(写真3)。直径2 mmを超える火山礫サイズ以上の噴出物は、火口から4 kmを超えた地域では確認できませんでした。また、顕著な降灰が認められたのは、浅間山の北から北北東にかけてでしたが、写真2のような降灰量が1 g/m2を超えるような地域は、わずかでした。

 噴出物量が少なく、火山礫サイズ以上の粗い粒子も遠方に降下しなかったことは、今回の噴火が小規模であったとの気象庁の見解(浅間山 火山の状況に関する解説情報 第1号 令和元年8月7日23時40分など)と整合的です。

写真1 北東側六里ヶ原からの浅間山(2019年8月8日15時頃)。山頂から右上にうっすらと噴煙が認められます。

写真1 北東側六里ヶ原からの浅間山(2019年8月8日15時頃)。山頂から右上にうっすらと噴煙が認められます。

写真2 火山灰採取の様子。

写真2 火山灰採取の様子。

写真3 降灰の状況(火口から北北東側約4.3㎞の地点)。降灰量は2~3g/m2。

写真3 降灰の状況(火口から北北東側約4.3㎞の地点)。降灰量は2~3g/m2

写真4 降灰状況(拡大)。写真3と同一の地点で撮影。画面下の目盛りは1mm間隔。細粒火山灰が凝集して降下してきたことがわかります。

写真4 降灰状況(拡大)。写真3と同一の地点で撮影。画面下の目盛りは1mm間隔。細粒火山灰が凝集して降下してきたことがわかります。

写真5 降灰の状況(火口から北側7.8 km地点)。葉の上の白い斑点が火山灰。ごくわずかな降灰しか認められません。

写真5 降灰の状況(火口から北側7.8 km地点)。葉の上の白い斑点が火山灰。ごくわずかな降灰しか認められません。


噴出物の観察結果(速報)

水洗前

水洗前

水洗後

水洗後

8月8日16時頃採取の火山灰(水洗前、水洗後)。水洗後の火山灰には多様な粒子が観察されます。


火山噴火予知連絡会資料

産総研から火山噴火予知連絡会に提出した資料を公開しました。


関連情報

 産総研 地質調査総合センターでは、浅間火山に関して、以下の情報を公開しています。


更新履歴

  • 2019年12月26日:「火山噴火予知連絡会資料」を追加。
  • 2019年8月22日:「火山噴火予知連絡会資料」を追加。
  • 2019年8月20日:「火山噴火予知連絡会資料」を追加。
  • 2019年8月9日:「浅間山2019年8月7日噴火の降灰状況(速報)」「噴出物の観察結果(速報)」「火山噴火予知連絡会資料」掲載。

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産総研地質調査総合センター