伊豆大島火山の自然電位変動観測情報

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概要

はじめに

  伊豆大島では1986年の噴火以降20年以上経過し、次期噴火への対応を強化するべき段階にあるといえます。 産業技術総合研究所では、火山ガス等の火山性流体の移動を連続的に観測することによって噴火予知技術の高度化を目指す研究に取り組んでおり、 その一環として、伊豆大島を対象とした火山活動のシミュレーションを実施し、マグマの上昇とそれに伴う火山性流体の挙動を予測する研究を進めています。 本観測は、流体の流動に伴う電気的信号(自然電位)の変化を観測するもので、火山性流体の流動様式を把握するための基本データとなると考えられます。 本観測を実施することにより、シミュレーションの精度向上につながり、噴火予知技術の向上に貢献することを期待しています。

自然電位とは

  自然電位(SPともいう)とは岩石の空隙中を流体が流動する際に流体中に電流が流れることによって地表に形成される電場のことです。 観測方法は極めて簡単で、地表に設置した電極間をケーブルでつないで電位差を測定することによって得られます。 一般的に、地下の空隙を地下水や温泉が流れるときに、その流れと一緒に電流も流れます。 電流の強さは、流れる液体や周りの地層の状態によって変化し、その強さが異なる境界には電流の過不足を補うように電荷が溜まり、それをソースとして発生した電場を地表で観測したものが自然電位です。

SITEMAP

  水蒸気など気相の流体の流れでは電流が流れません。 従って、活動的な火山では、地下から上昇してきた火山ガスが冷却して凝縮した場合には比較的強い電場のソースが発生すると考えられます。 その他に、高温の火山ガスやマグマを熱源とした地下水の熱水対流や、地表からしみ込んだ雨水の浸透による地下水の流れなどが自然電位のソースになると考えられています。

SITEMAP

  産業技術総合研究所では、1989年から2000年まで計7回、伊豆大島の山頂カルデラを東西に横切る約8kmの測線で自然電位分布を測定し、1986年噴火以降の経年的な変動を捉えてきました。 それによると、火山活動の衰退に伴う正異常の減少が観測されています。 今後、火山活動の変化に伴ってマグマや火山ガスを原因とした熱水活動が再び活発化すれば、自然電位の異常が十分に現れ得ると考えれます。 その異常が顕著に発現すると期待される場所に測線を設け自然電位の連続観測を2006年から開始しました。