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9月14日から16日にかけての噴出物

14-17日にかけて発生した一連の噴火による噴出物は、その構成物が時間とともに明瞭に変化しています。

 1 : 小噴火が再発し始めた9月14日の降灰。ほとんどが石質岩片からなり、硫気変質を受けた岩片もみられる。
(14日 : 古川・星住@地調採取)
Ash erupted on 14 September, at the begining of the small eruptions.



 2 : 15日未明以降、16日午後16時23分までの約2日間で噴出した火山灰。石質岩片が多く、変質や赤色酸化した岩片なども見られる。少量の軽石質ガラスが認められる。
(16日 : 風早・大和田@地調採取)
Ash erupted between daybreak of 15th and 16:23, 16th September.



 3 : 16日14時ごろから16時前にかけて降下した火山灰。石質岩片はほとんど見られなくなる。結晶片と発泡したガラス片が主体。
(16日、東大理地殻化学森氏採取)
Ash erupted between 14 and 16 PM, 16th September.




4 : 16日16時少し前に降下した火山灰。ほとんどが軽石質岩片とそれから遊離したと思われる結晶片からなり、石質岩片はほとんど見られない。軽石を構成するガラスに透明なものとやや茶褐色を呈するものの2種類あるのがわかる。16日、東大理地殻化学森氏採取
Ash erupted just before 16 PM, 16th September.

 5 : 16日夜間にかけて降下したと思われる火山灰中の軽石片。 (17日、宇都・中野@地調採取)
Ash erupted during the night of 16th September.





このような噴出物の時間変化から、14日から16日夕方にむかって次第にマグマ自体が粉砕するマグマ噴火に移行していったとおもわれます。一連の噴火活動初期の14日には火口底の岩石が粉砕され噴出し、その後次第に火道が確保されマグマそのものが放出されるようになり、その結果軽石質ガラス片 (マグマ物質) が多く含まれるようになっていったと考えられます。
地震活動や噴煙量が最大となり、また連続して火山灰まじりの噴煙が上昇するようになった 16日夕方以降の噴出物はほぼすべてマグマ由来の物質 からなると考えられます。

(写真および解析 : 下司信夫@地調)