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二酸化硫黄放出量 9月 1〜2日

2008年9月8日

概要

2008 年09 月01 日と02 日に COMPUSS を用いた二酸化硫黄放出量の計測を霧島新燃岳の周辺部で行い、約50 ton/day の放出率値を得た。

詳細

9 月1 日は霧島道路を車で走行したトラバース法、9 月2 日は夷守台展望所からのパンニング法である。トラバースルート(赤線)及びパンニング法の観測点(青丸)を図1 に示す。9 月1 日の噴煙は新燃岳の北北西方向、9 月2 日は東方向へと流下していた。9/1 は天候の悪化のため計測は1 回。9/2 は風向の変化の影響で、解析できたのは9 回である。風速は溝辺アメダス観測点のデータを用いた(9/1:4 m/sec, 9/2:3 m/sec)。

両日の二酸化硫黄放出量の平均は、

  • 9/1: 24 ton/day
  • 9/2: 52 ton/day

となった。9/1 は計測時における紫外光強度の変化が大きく、測定精度は9/2 の方が高い。図2 にエラーバー(測定中の最大値と最小値)と共に今回の計測結果を示す。

尚、2006 年以前に行われた霧島新燃岳における二酸化硫黄放出量の測定として、1977 年1 月7 日に0.5 ton/day 以下(パンニング法)、1982 年3 月14 日に 10 ton/day 以下(トラバース法)が鎌田・他(1986)によって報告されている。


図1 : トラバースルート及びパンニング法観測点とそれぞれの日の噴煙流下方向。
地形図は国土地理院発行5万分の1 地形図「霧島山」を使用。


図2 : 霧島新燃岳からの二酸化硫黄放出量

本件担当

地質情報研究部門 マグマ活動研究グループ  森 健彦

地質調査総合センター
産業技術総合研究所