「第二報」2016年10月26〜27日の現地調査概要報告

2016年11月 1日 作成

活断層・火山研究部門     吾妻     崇・丸山     正

 2016年10月21日の14時07分に鳥取県中部において、深さ11 kmを震源とするマグニチュード6.6の地震が発生しました。震源メカニズム解と余震の分布状況に基づき、北北西-南南東走向の断層面で左横ずれの断層運動が生じたと考えられています。本震の震央は、東伯郡三朝町付近に位置しており、余震分布は倉吉市市街地付近から北北西へ約2km、南南東へ約10kmの範囲に広がっています(図1)。
 産業技術総合研究所では、この地震による地表地震断層の出現の有無と被害状況の確認のため、吾妻と丸山の2名が、2016年10月26日と27日の2日間に緊急調査を実施しました。地表地震断層の出現の有無に関しては、余震分布の帯及び国土地理院から公開されているInSAR画像で地殻変動境界にあたるような地域を横切る道路や、それらの直上に位置する集落を対象としました。今回の調査では、地表地震断層の出現は認められませんでした。M 6.5~M 7.2の地震では、地表地震断層が出現する場合と出現しない場合がありますが、今回は明瞭な活断層が分布しない地域で発生したM 6.6の地震で、地表地震断層が出現しなかったケースであると考えられます。
 今回の緊急調査にあたり、鳥取大学の香川敬生教授、広島大学の後藤秀昭准教授、株式会社パスコの小俣雅志氏には、地震発生直後に現地に入られたときの情報を教えて頂きました。以上の方々に御礼を申し上げます。

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図1 2016年鳥取県中部の地震の本震及び余震分布と緊急調査の実施地点位置図

産総研「地質図Navi」の画像に調査地点等を加筆。震源分布のデータは、気象庁一元化処理検測値を用いて産総研で再決定したもの。

余震分布域を横切る測線上(地点1:円谷町-岩倉間の舗装道路)で観察された開口亀裂。写真1 余震分布域を横切る測線上(地点1:円谷町-岩倉間の舗装道路)で観察された開口亀裂。斜面下方側が落ちる重力性の亀裂と解釈した。

本震の震央付近(地点2:恩鳥)で観察された左横ずれもしくは回転による移動を示すコンクリート道路接合部の開口。写真2 本震の震央付近(地点2:恩鳥)で観察された左横ずれもしくは回転による移動を示すコンクリート道路接合部の開口。
周辺への延長が認められないため、地表地震断層を示すものではないと判断した。

本震の震央付近(地点2:恩鳥)で観察された縁石の破壊。写真3 本震の震央付近(地点2:恩鳥)で観察された縁石の破壊。
左横ずれを伴わず、周辺への延長も認められないため、地表地震断層を示すものではないと判断した。

倉吉市内の白壁土蔵(地点3)にみられた壁材の崩落。写真4 倉吉市内の白壁土蔵(地点3)にみられた壁材の崩落。
調査範囲内のその他の土蔵では、これほどの被害は認められなかった。

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産総研地質調査総合センター