「第四報」 緊急現地調査報告 [2016年5月13日]
2016年熊本地震に伴って出現した地表地震断層

2016年5月13日  作成

  • 日奈久断層帯および布田川断層帯に沿って、地表地震断層の出現状況を広域的に調査した。
  • その結果、日奈久断層帯では高野—白旗区間の北部約6kmにわたって、布田川断層帯で布田川区間をやや超える約28kmにわたって、地表地震断層の出現を確認した。
  • 二つの断層に沿った複数の地点で、4月14日の地震で生じた道路の亀裂や段差が16日の地震で拡大したという証言が得られた。
  • 日奈久断層帯の地震断層は、今までに報告されていた活断層にほぼ一致する場所に出現した。
  • 変位量は、高木地区で最大約75cmに達し、そこから北側と南側に向かって減少する。
  • 緑川の南側では活断層沿いの変位は確認できなかったが、主断層の西側でSAR干渉図とほぼ一致するわずかなずれが認められることがある。
  • 日奈久断層帯の高木トレンチで確認された活断層が、今回の地震で活動した。
  • 布田川断層帯の地表変位は、日奈久断層帯との接合点より約3km西側を西端とし、東端は従来認定されていた活断層の端点より約4km東側の阿蘇カルデラ内まで、約28kmにわたって認められた。
  • 布田川断層帯の地表変位も、ほぼ従来指摘されていた活断層に沿って出現したが、それ以外にも複数の平行な断層や幅広い変形帯を伴うことが多い。特に、断層の南側では正断層成分を含む変位が広く認められた。
  • 布田川断層帯の右ずれ変位量は堂園付近で最大2.2mに達するが、多くの場所では断層が分散・分岐するため、正確な変位量の測定が困難な場所が多い。分散する変形や断層の変位の状況から、堂園付近から大切畑ダム付近に至る約10kmの範囲では、全体として2m前後の右横ずれ変位量を持つと推定される。
  • 布田川断層帯沿いの田中トレンチで確認された活断層が、今回の地震で活動した。

2016年熊本地震に伴う地表地震断層の分布と活断層・地震活動との関係

2016年熊本地震に伴う地表地震断層の分布と活断層・地震活動との関係

2016年熊本地震に伴う地表地震断層調査結果

2016年熊本地震に伴う地表地震断層調査結果

代表的な地表地震断層の写真

日奈久断層帯

H1:地表変位の南端付近(御船町山出)写真1

H1:地表変位の南端付近(御船町山出)

H2: 南端から約2.5 km(御船町片志和西方)写真2

H2:南端から約2.5km(御船町片志和西方)

H3: 御船町土山付近(日奈久断層北端付近)写真3

H3:御船町土山付近(日奈久断層北端付近)

布田川断層帯

Fu1:嘉島町井寺付近(地表変位の西端)約10cmの右ずれ写真4

Fu1:嘉島町井寺付近(地表変位の西端)約10cmの右ずれ

Fu2: 益城町砥川付近写真5

Fu2:益城町砥川付近

Fu3: 益城町福原付近 写真6

Fu3:益城町福原付近

Fu4: 益城町三竹付近 横ずれと縦ずれを伴う写真7

Fu4:益城町三竹付近
横ずれと縦ずれを伴う

Fu5: 益城町堂園付近(2.2mの最大変位量が観察された地点)写真8

Fu5:益城町堂園付近(2.2mの最大変位量が観察された地点)

Fu6: 西原村田中付近(丘陵上の正断層群)写真9

Fu6:西原村田中付近(丘陵上の正断層群)

Fu6: 西原村田中付近(低地南縁)右横ずれと縦ずれが生じている。写真10

Fu6:西原村田中付近(低地南縁)右横ずれと縦ずれが生じている。

Fu7: 西原村 大切畑ダム写真11

Fu7:西原村 大切畑ダム

Fu9:南阿蘇村河陽写真12

Fu8:南阿蘇村東急ゴルフクラブ東方

Fu9:南阿蘇村河陽写真13

Fu9:南阿蘇村河陽

Fu10:南阿蘇村東海大学東方写真14

Fu10:南阿蘇村東海大学東方

日奈久断層帯及び布田川断層帯に出現した地表地震断層の横ずれ量分布日奈久断層帯及び布田川断層帯に出現した地表地震断層の横ずれ量分布

益城町における地表断層の位置と変位置益城町における地表断層の位置と変位置

田中トレンチの位置とその周辺の地表地震断層の出現状況田中トレンチの位置とその周辺の地表地震断層の出現状況

高木トレンチの位置とその周辺の地表地震断層の出現状況

高木トレンチの位置とその周辺の地表地震断層の出現状況
(空中写真は国土地理院撮影益城地区正射画像(4/15撮影)を使用)

問い合わせ先

産総研地質調査総合センター