地質調査総合センター

「地質の日」経済産業省特別企画

「地質の日」経済産業省特別企画 ~「南海トラフ地震研究の今-地質を知り、地震に...

「地質の日」経済産業省特別企画

~「南海トラフ地震研究の今-地質を知り、地震に備える-」のパネル展⽰を開催します~

~「南海トラフ地震研究の今-地質を知り、地震に備える-」のパネル展⽰を開催します~

 2025年3月31日、政府は南海トラフ巨大地震の新たな被害想定を公表しました。最悪のケースで、死者29万人、経済被害は292兆円に上り、官民による減災対策の強化が急務となっています。国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センター(以下、産総研GSJ)は、地質災害に対する強靭な国土と社会の構築に資するため、最新知見に基づく地震・津波に関する地質情報の整備を行うとともに、地震の評価・予測手法の開発を行っています。こうした地震に関する地質情報をより身近に感じていただくために、5月10日の「地質の日」にあわせて、5月8日~6月3日の期間に経済産業省本館1階ロビーにおいて展示を行います。

1.5月10日「地質の日」の由来

 明治9年(1876年)5月10日に日本で初めて広域的な地質図として 「日本蝦夷地質要略之図にほんえぞちしつようりゃくのず 」(200万分の1)が作成されたこと、明治11年(1878年)5月10日に地質の調査を扱う組織(内務省地理局地質課)が定められたことに由来して、平成19年(2007年)に産総研GSJをはじめとする地質関係の組織・学会が発起人となって、「地質の日」が制定されました。

2.地質の調査に関する取組

 産総研GSJは、140 年以上にわたり、各種地質図やデータベースなどの地質情報を整備し、ウェブサイト等で公開しています。

3.展示の概要

(1) 期間:令和7年5月8日(木)~令和7年6月3日(火)

(2) 場所:経済産業省本館1階ロビー(正面玄関側)

(3) 内容:「南海トラフ地震研究の今-地質を知り、地震に備える-」

 産総研GSJ では陸域~海域の地質調査の際に、さまざまな掘削調査を行い、地下の地質を直接調査しています。これらは、南海トラフ地震に備えるための基礎資料として活用されています。
 南海トラフ沿岸に地下深部への掘削を行い設置した観測井では、巨大地震の短期〜中期予測に向けた地下水および地殻変動観測を行っており、得られたデータは南海トラフ地震臨時情報の判断に活用されています。平野の掘削調査では、太平洋に面した大都市の地質地盤の特性を正確にとらえ、地震動の影響の見積りに活用されています。さらに津波堆積物調査や隆起痕跡調査における掘削調査では、過去の地震・津波の規模と頻度を探り、調査結果を巨大地震の長期評価に役立てています。
 展示では、これらの地下情報を直接得ることによって、それらの情報が防災にどう役立つかをわかりやすく説明すると共に、掘削試料や、地層の剥ぎ取り標本、調査機器などの実物を展示します。

展示パネル

「南海トラフ地震研究の今」の展示パネルのPDFファイルを5月8日以降にダウンロードできます(2MB程度を予定)。

本展示に関連する地質情報を以下のサイトからご覧頂けます。

本サイトでは、地震津波の履歴に関する情報を公開しています。一般の方でも理解しやすいように、研究結果に至るまでの作業内容も解説しています。また、より専門的なハザードマップ等を作成するために必要なデータとして、掘削地点の位置や断層パラメータも公開しています。

地震予測研究を目的に、産業技術総合研究所 地質調査総合センター 活断層・火山研究部門が中心となって観測・解析を行っている50ヶ所あまりの観測点の地下水位、歪、水温、地震波形などの最新データおよび関連情報と、ユーザーのデータ解析に使える解析プログラムも公開しています。

「千葉県北部」「東京都区部」「埼玉県南東部」地域について、ボーリングデータ等をもとに都市域の地層の分布を3次元解析することによって作成した地質図を公開しています。地層の3次元の分布形態を平面図・断面図・立体図で表示でき、解析に使用したボーリングデータも閲覧できます。

    展示パネルの技術的内容についてのお問い合わせ先
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所地質調査総合センター
      担当者:清⽔、宍倉、持丸、中村
      電話:029-861-3540
      メール:gweb*gsj.jp(*を@に変換してください)
    その他の「地質の日」関連行事

    5月10日を中心に、全国の博物館や大学など研究機関で開催される「地質の日」を記念した講演会や野外観察会などのイベントを、地域ごとに掲載しています。