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GSJ Open-file Report no.392

三宅島ヘリ観測記録:2000年11,12月、2001年1,2,3月分

観測者(著者): 川辺禎久・中野俊 ・宮城磯治 ・伊藤順一 ・山元孝広 ・東宮昭彦 ・高田亮 ・ 星住英夫 ・斉藤元治 ・佐藤久夫 ・須藤茂 ・濱崎聡志
産業技術総合研究所・地質調査総合センター

まとめ: 宮城磯治
産業技術総合研究所・地質調査総合センター

観測者と観測日のリスト:

                    
川辺禎久 11/08, 11/29, 12/06, 12/29, 01/17, 02/16, 03/02, 03/19, 03/28
中野俊   11/13, 12/04, 12/25, 01/22, 02/19, 02/19, 03/07
宮城磯治 12/27, 01/15, 01/29, 02/12, 03/05, 03/26
伊藤順一 11/06, 11/15, 01/10, 02/23, 03/21
山元孝広 11/24, 12/22, 01/19, 02/02, 03/16
東宮昭彦 12/13, 12/20, 02/14, 03/30
高田亮   11/27, 12/15, 01/31, 03/14
星住英夫 02/05, 03/09
斉藤元治 12/18
佐藤久夫 12/11
須藤茂   01/05
濱崎聡志 02/09

観測日、観測者、概要

2001年 3月30日 (東宮@地調) 北西〜北側のカルデラ外縁斜面(の数ヶ所)は、 樹木はあるが泥(灰?)をかぶり倒れかかったように見える。 相変わらず多量の青白い火山ガスがでている。

2001年 3月28日 (川辺@地調) 噴煙量は3月19日以前と同じぐらいの量(多い)。 陥没カルデラ内がよく見えた。

2001年 3月26日 (宮城@地調) いったん弱まった噴煙の勢いは、これまで通りの量に復帰。 少なくとも、激減したようには見えない。 北西〜北側のカルデラ外縁斜面の樹木がほとんど見られず(消失?)、 泥がちな地面(降灰?)に見えた。 ←検討の結果、樹木が濡れて黒かったため地肌が透けて見えたため、 と結論された。

2001年 3月21日 (伊藤@地調) 噴煙の勢いが弱い。全体に、水蒸気量が減ったようだ。 陥没火口南壁に比較的新鮮そうな崩壊跡あり。 これまでの主噴気孔よりも南側から、主にガス水蒸気が出ている。

2001年 3月19日 (川辺@地調) 3月16日に比べて陥没カルデラ内の主火口からの噴煙がかなり少なく、 それより南側の火口からは灰白色(火山灰混じり)の噴煙があがる。

2001年 3月16日 (山元@地調) この日の午前中は微動が多発。 噴煙の上昇間隔は10〜70秒で、息継ぎが明瞭。

2001年 3月14日 (高田@地調) 白色噴煙。連続的なプリュームと、 20分間に数回のパルス状プリュームがある。 海抜約1200mで水平なり、赤場暁方面へ流れる。 青白い霧は北東縁から斜面に沿って赤場暁方面へ流れ下る。 火口や陥没カルデラ内の様子は特に変化なし。

2001年 3月9日 (星住@地調) 噴煙は、火口内の南よりにある噴気孔が、やや勢いが強い。 陥没カルデラ外縁のひび割れの写真を撮影。

2001年 3月7日 (中野@地調) 三宅島の標高500mより上は雲の中。雨滴が窓につき観測困難。

2001年 3月5日 (宮城@地調) この日は微動が多発。 大路池〜新澪池〜阿古〜神着にかけて、都道ぞいをぐるっと撮影 (1秒間隔の駒送り動画あり)。 陥没カルデラ内は全く見えず。

2001年 3月2日 (川辺@地調) 噴煙は白色で多量、高度1500m以上、三宅島空港方面に流れる。

2001年 2月23日 (伊藤@地調) 噴煙は白色、高度は1000mかそれ以下、北東〜北北東に流れる。

2001年 2月19日 (中野@地調) 噴煙は白色、高度は1000m程度、南東〜南南東に流れる。 その下には青白いガスが垂れ下る。 カルデラ縁に大きな変化はなし。

2001年 2月16日 (川辺@地調) 噴煙は白色、高度は1000m程度、三宅島空港方面に流れる。 その下には青白いガスが垂れ下る。 カルデラ縁に大きな変化はなし。

2001年 2月14日 (東宮@地調) 噴煙は白色、時々プリューム状に大きく真上に上がる(1100-1200m程度)、 カルデラ縁を越え東方向に流れる。 主噴気孔南側の壁に硫黄が析出。

2001年 2月12日 (宮城@地調) 陥没カルデラ周囲(東側)をぐるっと撮影。 陥没カルデラ内がよく見えた。 熱映像カメラにて陥没カルデラ内を撮影(動画あり)。最高温度は131℃。

2001年 2月9日 (濱崎@地調) 白色の噴煙は連続的に上昇、雲(900〜1000m)を突き抜け1300mに達する。 時折パルス状にプリュームが上がる。

2001年 2月5日 (星住@地調) 噴煙は白色、最大高度は2100m程度、東に流れる。 山頂部は雲のため見えず。

2001年 2月2日 (山元@地調) 視界良好。火口内が良くみえた。大きな変化はなし。

2001年 1月31日 (高田@地調) 時折(5〜10分程度の間隔で?)パルス状のプリュームがあがる。 12月15日に火口付近みられた硫黄の昇華物(?)がみられず。

2001年 1月29日 (宮城@地調) 陥没カルデラ周囲をぐるっと(東側は除く)撮影。 噴煙を順光と逆光で撮影。 噴煙が青い霧に変化する様子を撮影。 三本岳(大野原島)に接近&撮影。

2001年 1月22日 (中野@地調) 白色噴煙が南縁の主火口から連続的に噴出。弱風ほため垂直に上昇。 1000-1500m付近の雲を突き抜け、約2000mに達っする。 上空ではやや東に流れる。青白いガスが北西斜面を流下。 カルデラ内、北西側にあったマウンド南側に真っ黒い物体(後に水たまりと判明)。 カルデラ内の視界は不良。カルデラ南縁亀裂付近の崩落が進んだようだ。 スオウ穴の水たまりは緑がかった色。

2001年 1月19日 (山元@地調) 三宅島を低く雲覆う。小雨。噴煙の形状や高さは不明。 火口内もリムの状況も目視できず。 青灰色のガスが山腹沿いに阿古方面へゆっくり流れる。

2001年 1月17日 (川辺@地調) 白色噴煙、高度は平均1000-1100m程度。間欠的に1200mに達する。 強い西風で三池方面へ流下。カルデラ内は白煙のため何も見えない。 白煙は海岸線付近でほぼ消滅し、青白色のガス(相変わらず多量)になる。 カルデラ縁の亀裂に大きな変化はなし。

2001年 1月15日 (宮城@地調) ヘリ観測開始後初めての雪景色。 白色噴煙、到達高度は4000フィート、西風に流される。下に青白いミストあり。 陥没カルデラ内は白煙が充満し肉眼では殆ど見えず。 熱映像カメラにて撮影(動画あり)。最高温度は314℃。 南西陥没火口縁の亀裂、カルデラ内側の崩落が進んだようだ。

2001年 1月10日 (伊藤@地調) 白色噴煙は火口付近では連続的、島外では途切れがち、 青白い煙はず〜っと東方に遠くまで流れる。海抜1000m程度。 ガス量もいつもに比べ少ない?。 噴火口は特に変化無し。 陥没火口底の水たまりからの湯気などは確認できず。 南西陥没火口縁の亀裂、12/25確認の物よりも火口縁側に、 ほぼ平行する新たな亀裂あり。

2001年 1月5日 (須藤@地調) 白色噴煙が東に流れ、その下に青白い煙がある。 上端高度は5500フィート; byヘリ高度計。 都内は晴れていたが三宅島付近は雲が多く、 火口内は煙が濃く充満していて、全く様子が分ららず。 火口リム南部のひび割れを確認。その他は特に変化は認められず。

2000年 12月29日 (川辺@地調) 白色噴煙。下層は青白色で南西の新澪池方向へ流れ下り、 上層は白色で北東へ流れる。高度1500m程度はありそうだ。 火口内は大きな変化はない様子。南側の割れ目は観察できず。

2000年 12月27日 (宮城@地調) まるで9月頃のように噴煙が元気に見えた。噴煙 (白色のプリューム、その下に帯状たなびく煙、水平に無指向性に広がった煙) のうち白色プリューム上面高度は2100m。三宅島空港〜三池に向けて流れる。 水平に広がる煙の上面高度1500m程度で比較的境界は明瞭、 下面高度は500-1000m位で境界はやや不明瞭。 広がりは島の直径の二〜三倍以上(?)。 陥没火口底はよく見えた。様子はこれまでの報告とほぼ同じ。 スオウ穴の水の色はやや赤い灰色で、以前のようにどぎつい色ではなくなった。

2000年 12月25日 (中野@地調) 白色噴煙。ほぼ連続的。三池桟橋〜赤場暁方面に流れる。 勢いはやや弱く、高度は1200〜1500m程度。その下には青灰色のガス。 カルデラ底の視界悪し。先週とほとんど変化はない模様。 南側にカルデラ縁にほぼ平行な亀裂。長さは断続的に200-300m程度。 スオウ穴の水たまりは以前のようなきつい赤みが消え、泥色。

2000年 12月22日 (山元@地調) 白色噴煙。主火口からほぼ連続的に噴出。大路池〜新澪池方向に流れる。 到達高度は1000〜1200mだが、 大半は青灰色のガスと伴にほぼ山腹斜面に沿って流れる。 カルデラ内の視界良好。状況は12/15の高田報告とほぼ同じ。 主火口の西となりの小火口周辺には硫黄と思われる黄色の昇華物。 昨夜の弱い微動と空震に対応しそうな地表変化は認められず。

2000年 12月20日 (東宮@地調) 噴煙(純白で濃密なものと、青白く霞むもの)のうち、 白いほうは、もくもくと上昇し、上空の雲(基底1100m程度)に突入。 青いほうは、一旦カルデラの内部に充満してから山麓を溢れ下るように見える。 カルデラ内の視界は非常に悪かった。 北側の大きな池の色は土色〜緑色?(赤くはない)。 スオウ穴の水の色は土色。

2000年 12月18日 (斉藤[元@]地調) 噴煙のうち、青白いほうは新澪池跡〜富賀神社の斜面を流下。 このガスの中をヘリが通過した際、わずかに硫黄臭がした。 曇天(雲底300m)のため白色噴煙や、カル デラ内は観測できず。 一周道路沿いでは新たな泥流の跡などは見当たらないが、 北側山腹には、泥流堆積物が溜ったと思われる箇所がいくつかあった。 大船渡湾の断崖の下の海岸の海水が茶褐色に変色(崖が崩れたため?)。

2000年 12月15日 (高田@地調) 噴煙(海抜約2500m)は白色でほぼ連続的で時々間欠的。 カルデラ上空にキノコ雲を形成。 上層は西〜南西の風。 下層は北北東の風。硫酸ミストはうすく広く拡散し、新澪の方に流れ下る。 陥没カルデラ内。噴火口の位置は南縁沿いで、約10箇所。 最も東寄りの大きい火口が最も量が多い。 小火口の南側の斜面に黄色い色(硫黄?)。 スオウ孔の西側に新鮮な崩壊面。 北側は、火口底に崩壊堆積物。 南側は、黒い色をしたコーンが広がっているように見える. 北側の池は褐色。

2000年 12月13日 (東宮@地調) 噴煙のうち、 白いほうは、カルデラリムの高さでほぼ水平に東方に流れる。 パルス状の強弱があり、一時的に1200m位達する。 青いほうは、一旦カルデラ内に充満してから溢れ下るようにみえる。 カルデラ内の視界は非常に悪い。 北側の大きな池が色は土色。 スオウ穴も土色で、かつての赤みは殆んどない。 一周道路沿いでは新たな泥流の跡などは見当たらず。

2000年12月11日 (佐藤[久]@地調) 白色噴煙。高度約1500m。三宅島空港方向に流れる。 噴気が間欠的で勢いよい。錯覚かも知れないが黄色い噴気も認められる。 風上でもH2S臭を感じた。 カルデラ内の視界は殆どゼロ。 スオウ穴は褐色を呈する。

2000年 12月6日 (川辺@地調) 白色噴煙。高度は1300m〜1500m程度。 三宅島空港〜三池方向へ流される。 陥没火口内にはガスが立ちこめ、東側火口縁からあふれ出す。 火口底はよく見えない。 スオウ穴はやや赤い灰色(色のどぎつさが消えた)

2000年 12月4日 (中野@地調) 白色噴煙。高度は約1500m。南方に流れる。 主に南側噴気口列東寄りの大きな火口から連続的に噴出し。 噴煙と硫酸ミストは南斜面から海面上を一帯となって延々と流れる。 1ヶ月前の観察と比べて勢いがよい。 スオウ穴は、赤黒く落ち着いた色。 赤場暁の上流では、泥流跡がガリーになって顕著に発達。

2000年 11月29日 (川辺@地調) 白色噴煙。高は1500m程度(?)。 主に南側噴気口列東寄りの火口から、連続的に噴出。 低層では弱い北東風に流され、棚雲より上では西寄り流されている。 噴気口近の扇状の灰色泥水殆ど認められない。 陥没火口内の水たまり(南西と北東の2ヶ所)はどちらも赤黒い水。 特にスオウ穴直下の崖錐が発達。

2000年 11月27日 (高田@地調) 白色噴煙。高度海抜約1500m。 1分から2-3分間隔の間欠的なプリュームを形成。 硫酸ミストは陥没火口縁から海抜高度1000m付近までの間から下降を始める。 スオウ孔の西側標高750mに新鮮な崩壊面あり。 火口西壁にも崩壊した痕跡あり。

2000年 11月24日 (山元@地調) 元気のよい白色噴煙が海抜約1800mに連続的に上昇し、 キノコ型のプルームをつくる。 噴火口の位置はカルデラの南縁沿い。 硫酸ミストは海抜高度1600mに層状に溜まる。 陥没火口内の様子は全く観察できず。

2000年 11月15日 (伊藤@地調) 高度約1500mの白色噴煙がほぼ連続的に上がる。 スオウ穴より西側の11/6に確認された崩落部、 直下の水溜を埋め、崖錐が出来始めている。 陥没火口東側の崩壊物崖錐の上部にすこく白い部分あり (付着物??)

2000年 11月13日 (中野@地調) 白色噴煙。高度最高5200フィート。 1ヶ月前に比べると勢いがない。 噴煙は南方(滑走路の南〜大路池)にたなびく。 その下には青白いガスが漂う。降灰はなし。

2000年 11月08日 (川辺@地調) 白色噴煙、高度1200m以下。間欠的に1400-1500m程度。 弱い西風により南東-東側に流れる。 火口底の水たまりはやや増水。

2000年11月6日 (伊藤@地調) 白色噴煙、高度1500m以上。噴煙は西から北に流され、 青白いミストは西(阿古方面)に下る。 陥没火口内、火口底北部の池は赤褐色。 火口底南側の火口列から噴気上昇。 スオウ穴西側の壁が少し崩れている。

以上の観測は、警視庁、消防庁、海上保安庁、自衛隊の協力と 気象庁の取りまとめによりました。

※概要は観測者の報告をもとに宮城が作成したものであり、 地質調査総合センターの意見ではありません。


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