2000年12月11日の三宅島ヘリ観察報告 (佐藤久夫) 行程: 09:35, 新木場,東京ヘリポートより警視庁おおとり8号にて観測に向かう.     同乗者は大野さん(日大).天候は晴.西北西の風がやや強い. 10:30-10:53,三宅島雄山火口上空観察.高度6000-5000フィート. 11:07-11:15,神津島にてトイレ休憩. 12:08,東京ヘリポート到着.     竹橋で昼食後,気象庁に向かい結果報告. 出発時より天気が良くなったため視界は良好.噴煙高度は約1500m. 白色,青白色噴 気が西北西の風にあおられ東南東の三宅島空港方向に流れる. 水蒸気主体と思われる 白色噴気が間欠的に勢いよく放出されているのが, 西北西に断続的に連なっている噴 煙の「かたまり」からよくわかる. 青白色噴気の硫酸ミストはカルデラ内からあふれでてくるように 流れてくるため,間欠的な放出の様子は白色噴気ほど顕著ではない. 白色も青白色ももともと同時に放出されていると思われるが, 見事に分離して,それ ぞれが異なった勢いで上昇している. 錯覚かも知れないが黄色い噴気も認められる. 風上にあたるカルデラ西側でのヘリ観測を,高度約6000フィートで2回, 約5000フィ ートで2回行う.全てドアを開けての空撮.風上なのに はっきりとしたH2S臭を感じた.活発なガス放出と風による噴気の滞留のため 残念ながらカルデラ内部の視界はほとんどゼロ. 褐色を呈するスオウ穴の水たまりとその下の断崖に露出した岩脈類は かろうじて見えた程度. (※佐藤久夫氏による報告(電子メイル)を宮城磯治が整形&保存)