平成10年度活断層調査 トップへ

駄口断層

杉山雄一・吉岡敏和 (1999)

位置図

   平成8〜9年度の敦賀断層の広域調査の結果、同断層の南約3kmを並走する駄口断層にも新鮮な低断層崖が分布することが分かりました。このため、平成10年度に、敦賀市南部の黒河山国有林内で、駄口断層の詳細地形調査とトレンチ調査を実施しました。トレンチ壁面の詳細観察と 14C 年代測定の結果、駄口断層は15〜17世紀に最新活動を行った可能性が高いことが分かりました。この調査結果は、駄口断層が、敦賀断層の活動 (1325年の正中地震と推定される) の後に、単独で活動したか、あるいは三方断層や野坂断層などと一緒に、1662年の寛文地震の際に活動した可能性を示唆しています。この最新活動に伴う上下変位量は約1m (最大1.5m) と見積もられました。横ずれ変位量についてはデータが得られていませんが、トレンチ壁面に露出した断層の形態的な特徴から、上下変位を上回っていた可能性があります。また、平均活動間隔はおよそ6,000〜7,000年と推算されました。