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地質・地盤情報の利活用に関する
首都圏自治体と産業技術総合研究所の意見交換会

1. 目的

  この意見交換会では、首都圏 (特に人口が密集する平野部) の地下地質・地盤構造に起因する様々な災害対策、及び都市基盤整備等に貢献することを目的に、首都圏自治体と専門的知識を有する産業技術総合研究所 (地質調査総合センター) が連携して、首都圏の地質・地盤情報を総合的に利活用するための方策に関して意見交換を行っています。

2. 意義

  地質に関する我が国唯一の総合的調査研究機関として、産総研/地質調査総合センターの豊富な専門的知識を活用することにより、首都圏自治体 (東京都,千葉県、埼玉県、神奈川県) が関係するシームレスな地下地質・地盤情報を、自治体の枠を超えて組織的かつ高精度に整備し、利活用することができれば、これら自治体等の地下構造に起因する様々な地質災害 (地震動被害、地盤沈下、地下水・土壌汚染等) の対策に貢献するのみでなく、都市基盤の整備等に対しても多大な貢献が可能となります。


第3回意見交換会 (2005年1月20日、東京都土木技術研究所)

概要:  北海道立地質研究所からのオブザーバ参加も含め、30名近くが参加する盛会となりました。まず北海道立地質研究所の廣瀬亘さんが、「道立地質研における地質地盤情報整備の現状について」の紹介がありました。次いで産総研からの話題提供として、酒井彰・地質相談所長が「産総研の地質相談業務に見る首都圏自治体のニーズ」を、内田利弘主任研究員 (地圏資源環境研究部門) が「物理探査と原位置試験による地盤液状化ポテンシャル評価の研究」について紹介しました。

  次に、「首都圏の平野堆積盆の深部地下地質構造」について、産総研から駒澤正夫主任研究員、山口和雄主任研究員、高橋雅紀主任研究員 (いずれも地質情報研究部門) が、それぞれの専門の切り口から見た関東平野の地下地質研究の成果を紹介しました。休息をはさんで東京都土木研究所の中山俊雄さん、千葉県総務部消防地震防災課の浅尾一巳さん、神奈川県防災局防災消防課の杉原英和さんが、各自治体が行った地下構造探査の結果を紹介されました。

  産総研の金原・産学官コーディネータが、首都圏自治体と産総研が研究成果の情報交換をする場として、首都圏地質 (地盤) 情報研究連絡会 (仮称) の設置を提案しました。連絡会の事務局は産総研地質調査総合センターで、行事として来年度から年1回の研究発表会 (情報交換会) を提案しました。

  総合討論では、研究連絡会には、共通のテーマを設定すること、各自治体での研究を発展させていくような連絡会であることが必要であるという意見が出ました。


第2回意見交換会 (2004年6月29日、産総研つくばセンター)

概要:  産総研からの話題提供として、村上裕・地質情報研究部門副部門長が「地質地盤情報利用のための情報技術の紹介」を、安原正也主任研究員 (深部地質環境研究センター) が「都市域の地下水の起源の解明と地質地盤情報」について紹介しました。

  次に、東京都土木研究所の中山俊雄さん、埼玉県環境科学国際センターの八戸昭一さん、神奈川県温泉地学研究所の萬年一剛さんが、「自治体における地質情報の利用のされ方と地質情報整備に対する産総研への要望」を紹介しました。

  NPO 法人地質情報整備・活用機構 (GUPI)の大矢曉・会長が、同法人の目的・事業内容を説明しました。

  産総研の金原・産学官コーディネータが、首都圏自治体と産総研が研究成果の情報交換をする場として、首都圏地質 (地盤) 情報研究連絡会 (仮称) の設置を提案しました。連絡会の事務局は産総研地質調査総合センターで、行事として来年度から年1回の研究発表会 (情報交換会) を提案しました。

  総合討論では、研究連絡会には、共通のテーマを設定すること、各自治体での研究を発展させていくような連絡会であることが必要であるという意見が出ました。


第1回意見交換会 (2004年3月12日、産総研臨海副都心センター)

概要:  最初に、産総研の金原啓司・産学官連携コーディネータが、この意見交換会の主旨を説明しました。

  次に、東京都土木研究所の中山俊雄さん、千葉県環境研究センターの楠田隆さん、埼玉県環境科学国際センターの八戸昭一さん、神奈川県防災局の杉原英和さんが各都県の地質地盤情報の現状について説明しました。

  さらに、産総研から、木村克己・地質情報研究部門都市地質研究グループ長が「産総研における大都市地質に関する研究」を、下川浩一・地質調査情報センターシニアリサーチャーが「産総研における活断層データベースの整備」を紹介しました。

  総合討論では、地質地盤情報の質、整備、データベース、公開、有効利用等について意見交換しました。自治体関係者にとって、地質情報や産総研はなじみの薄い存在で、産総研の宣伝や地質情報の普及・啓蒙が必要であることが判明しました。また、産総研の役割について、すでに整備が始まっている地盤情報データベースに地質データを加え、地盤情報の質の高度化をめざしてはどうかという意見がありました。

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本意見交換会の主旨を説明する産総研の金原・産学官連携コーディネータ
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「産総研における大都市地質に関する研究」を紹介する木村・都市地質研究グループ長

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会議風景

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最後に全員で記念撮影

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