第2回 鉱物肉眼鑑定研修終了報告

 鉱物肉眼鑑定研修を12月2日~12月4日に実施しました。講師は産総研の坂野靖行が務めました。本研修は鉱山会社等に勤務する技術者を対象としたもので、地質標本館登録鉱物標本約90点を用いて天然に比較的普通に産出する鉱物の肉眼的特徴を理解することを主目的としました。このような研修ではルーペによる標本の観察が重要であり、目的とする鉱物の特徴がよく分かる部分を講師がピンポイントで指し示し、その場で疑問点に答えるスタイルが効果的です。この方法だと多くの研修生の受け入れることはできないため少人数(5名)での実施となりました。
 研修内容は第1回と同じであり、初日は1)鉱物肉眼鑑定の難しさ(生物種の鑑定との違い)、2)水晶の結晶の形・結晶形を示さない状態・割れた面の特徴、3)鉱物肉眼鑑定における観察ポイント(硬度、へき開、光沢等)に関する講義が行われました。
 2日目は、研修生を2グループに分け、各グループに目的とする鉱物が含まれている標本を一つ渡し、順番に天然に比較的普通に産出する鉱物(金属鉱物:黄鉄鉱・黄銅鉱等7種、非金属鉱物:石英・方解石等8種)の観察を行ってもらいました。最初に対象とする鉱物の肉眼的特徴及び鑑定ポイントが解説され、その後各自がルーペを用いて標本の観察を行い、その場で研修生からの質問に講師が答えるというのが一つの鉱物に関する一連のセッションです。
 3日目は2日目と同様なやり方で、2日目に観察した金属鉱物に見かけが類似した鉱物(磁硫鉄鉱・硫砒鉄鉱等6種)の観察を行いました。その後、重要な鉱石鉱物(鉄重石・濃紅銀鉱等6種)の特徴を観察しました。
 ルーペを用いる研修の欠点は講師と研修生とが同時に同じ観察部分を共有できない点です。今回からは実体顕微鏡下での観察像をモニターに表示させ、全員が同じ画像を見ることにより、言葉(文字)での説明と実際の観察画像との対応が理解しやすくなるような方法を導入しました。
 鉱物肉眼鑑定は短期間で完全に習得できる技術ではありませんが、実際の標本をよく観察することにより肉眼鑑定の具体的な方法の一部を理解することができる研修となりました。

第2回 鉱物肉眼鑑定研修
第2回 鉱物肉眼鑑定研修
第2回 鉱物肉眼鑑定研修

第2回 鉱物肉眼鑑定研修

タイトル 第2回 鉱物肉眼鑑定研修
日程 2019年12月2日(月)〜4日(水)
研修場所 産総研つくば第七事業所
研修内容 鉱山会社に勤務する技術者が、金属鉱山等で産出する鉱物を肉眼で鑑定できるよう、実際の鉱物を用いてその特徴を理解し、判別可能な能力を身につけることを目的とします。
定員 5名程度(鉱山会社の地質技術者を対象とするため,研修生の一般公募は行いません)。
講師 坂野靖行 主任研究員
CPD 24単位
参加費 産総研コンソーシアム「地質人材育成コンソーシアム」に36口(1口1000円)の会費が必要です。
主催 産総研コンソーシアム「地質人材育成コンソーシアム」