2019年度春期地質調査研修終了報告

 島根県出雲市長尾鼻周辺(小伊津海岸)において5月20日〜5月24日の4泊5日の日程で地質調査研修を実施しました。講師は産総研の鹿野和彦が務め、南 裕介がこれを補佐して研修を進めました。
 参加者6名のうち5名は、初任者研修を兼ねての参加で、その半数を女性が占めました。調査実習の対象は日本海拡大期に堆積した泥岩・火砕岩など(成相寺層)と日本海拡大直後に堆積した砂岩泥岩互層(牛切層)で、夜間に2時間を超える座学で地質図を作成するための一連の基本的事項を講義しました。

5月20日:
小伊津海岸において実習地の概要説明後、歩測と地層の走向傾斜の測定指導。/ 地質調査の概要講義。
5月21日:
砂岩泥岩互層の地質柱状図作成と貫入岩の分布調査指導。/ 地質柱状図と地質図の作成方法講義。
5月22日:
堆積構造観察とルートマップ作成、地質柱状図に基づく岩相対比の演習指導。/ 貫入岩分布図作成実習。
5月23日:
火砕岩・砂礫岩の分布調査指導。/ 火砕岩・砂礫岩分布図作成指導。
5月24日:
作成した地質図についての理解を深めることを目的とした調査地域の巡検。

 全員が初心者で不慣れなこともあり、地質調査で必要な露頭位置の確認や岩相の識別については、今後の修練が必要になりますが、地質調査や地質図がどのようなものかは理解できたと思います。
 本研修の実施にあたり、小伊津自治会、三津自治会の方々に大変お世話になりました。この場をお借りして御礼申し上げます。

2019年度春期地質調査研修
2019年度春期地質調査研修
2019年度春期地質調査研修



2019年度春期地質調査研修

日程 2019年5月20日(月)-5月24日(金)
研修場所 島根県出雲市長尾鼻周辺(小伊津海岸)
地質:中期中新世の牛切層の堆積岩など
研修内容 最近はルートマップを書いたことがあっても地質図を書いた経験のない方、岩石の見方に不安がある方など、地質調査の基本である踏査に関し、大学で充分な経験が積めなかった方もいらっしゃいます。この研修では、露頭の地層・岩石の観察ポイントからまとめまで、地質図を作成するための一連の基本的事項を5日間の研修で習得します。少人数でマンツーマンに近い形での研修で地質調査技術を学びます。
※今回は特に企業の地質初心者が対象となります。
※初級者(卒論等で地質図を描いたことがある方)向けは秋を予定しています。
定員 定員 6名(最小催行人数:4名)
※定員になりましたので募集は終了しました
講師 鹿野和彦博士
地質調査総合センターで、グリーンタフ地域を中心に数多くの地質図幅を作成し、火山岩にも精通した地質学の大家。地質調査総合センターを退職後、鹿児島大学教授を5年間務め、現在、地質調査総合センター客員研究員。
他1名
集合 ホテル(出雲市駅前) 5/20 12時
解散 ホテル(出雲市駅前) 5/24 16時
CPD 40単位 (40単位になるよう、夜も各日のまとめの指導を行います)
参加費 産総研コンソーシアム「地質人材育成コンソーシアム」に60口(1口1000円)の会費が必要です。
注意事項 お勤めの方は労災保険の対象となるよう職務として参加してください。
現地までの交通費と宿泊代(4泊)・食事代は参加者負担となります。素泊5000円台(税込)の宿を予定しています。
参加には別途傷害保険をおすすめします。
学生・院生の方で参加されたい場合は、別途お問い合わせください。
申し込み・
問い合わせ
training-gsj-ml(a)aist.go.jp ※(a) 部分を @ に置き換えて下さい。
主催

産総研コンソーシアム「地質人材育成コンソーシアム」 運営会則(pdf:76KB)