2019年度地震・津波・火山に関する自治体職員研修プログラム開催報告

吾妻 崇・宍倉正展・川邉禎久・藤原 治

 2019年度の自治体職員研修プログラムは、7月2日(火)から5日(金)にかけて実施され、静岡、愛知、三重、和歌山の4県ならびに相模原市と広島市の2つの政令指定都市から合計7名の方に参加して頂きました。政令指定都市には2年前から開催案内を送っていたのですが、実際に参加して頂いたのは今回が初めてでした。研修プログラムは、表1に示した通りです。
 昨年度に引き続き、「火山分野だけ/地震分野だけ/すべて」の3種類の参加形態の中から事前に選択できるようにし,火山と地震の共通分野となる地質一般の講義を中間に配置しました。
 初日には、日本列島の地質に関する概要と火山に関係する講義が行われました。火山に関する講義の「その1」では概説的な内容を、「その2」では個別の火山を取り上げた内容を、それぞれ紹介しました。
 2日目には午前中に地質情報に関する講義と地質標本館の見学(写真1)が行われ、午後に歴史地震と地震災害に関する講義と自治体による地震・津波・火山防災の取り組みの紹介が行われました(写真2)。
 3日目には、午前中に活断層に関する講義が行われ、午後に地震動、海岸地形および地下水観測に関する講義が行われました。
 最終日に実施した房総半島巡検には、研修生6名が参加し、南房総の海岸地域で観察される大地震の痕跡を探る巡検を実施しました。

2019年度地震・津波・火山に関する自治体職員研修のプログラム内容

日程講義内容
7月2日(火) ・ガイダンス
1-0 日本列島の地質と構造
1-1 日本の火山とその活動・その1
1-2 日本の火山とその活動・その2
7月3日(水) 2-1 地質図の利活用
2-2 地質標本館見学
2-3 歴史史料をよみ解いてわかる過去の地震と津波
2-4 地震災害と地震防災想定
2-5 自治体における地震・火山防災の取り組み(研修生による発表)
7月4日(木) 3-1 活断層と古地震調査
3-2 活断層データベースの解説と使い方
3-3 ゆれにまつわるあれこれ
3-4 海岸の地形や地質の発達史
3-5 南海トラフ巨大地震の予測と地震に関連する地下水観測データベースの使い方
7月5日(金) 4. 野外巡検「南房総における大地震の痕跡を探る」

2019年度の自治体職員研修プログラムの様子

2018年度自治体職員研修プログラム
2018年度自治体職員研修プログラム
2018年度自治体職員研修プログラム