地質調査総合センター研究資料集、 no. 644

日本列島の東西短縮地殻変動のメカニズムを再現したアナログ模型
Paper model of the cause and mechanism of the E-W contraction of Japan

高橋雅紀*1

*1地質調査総合センター地質情報研究部門

内容紹介:

この研究資料集は、日本列島の現在の東西短縮地殻変動の原因とメカニズムを容易に理解するためのアナログ模型キットである。大部分がユーラシアプレートに属する日本列島には、南からフィリピン海プレートが、東から太平洋プレートが沈み込んでいる。日本列島のうち、本州(東北日本から西南日本)の広い範囲は東西圧縮応力場におかれ、内陸地震が頻発し、断層運動に伴って山地は隆起し内陸盆地は沈降している。この東西短縮地殻変動の原因は、北西に移動するフィリピン海プレートの運動によってコントロールされていることが判明した。すなわち、フィリピン海プレートの運動により三重会合点が西に移動し、追随するように日本海溝も西に移動する。その結果、東北日本も西に移動するが、日本海の海洋リソスフェアに阻まれるため、東北日本の島弧地殻は東西に短縮せざるを得ない。このことは、内陸地震の原因が、太平洋プレートの運動そのものではなく、沈み込み位置(日本海溝)の移動であることを意味している。

本研究資料集のCD-ROMに収められたファイルは下記の通りです。

受理日:2017年7月7日

引用例:

高橋雅紀 (2017) 日本列島の東西短縮地殻変動のメカニズムを再現したアナログ模型. 地質調査総合センター研究資料集,no. 644,産総研地質調査総合センター
Takahashi, M. (2017) Paper model of the cause and mechanism of the E-W contraction of Japan. GSJ Open-File Report, no. 644, Geological Survey of Japan, AIST.