地質調査所月報 Vol.51 No.4 (2000)

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  湿潤温暖気候下で植生の発達する日本では、国土の大半が土壌に覆われている。我が国の土壌の多くは、母岩の風化生成物、植物や微生物の遺骸からなる腐植、第四紀の火山噴火によりもたらされたテフラや大陸から偏西風により長距離輸送されてきた風成塵などからなる。土壌は表層のたかだか数mを占めるに過ぎないが、空隙に富む土壌層は降雨の大半を保持したうえで、植物根や微生物の呼吸、微生物による腐植の分解、粘土鉱物による陽イオン交換などにより、その化学性状を大きく変化させる。こうして土壌層内で形成された炭酸ないし硝酸酸性の水の一部は、その下の岩盤に浸透し風化帯を形成する。写真に示す採石場 (茨城県岩瀬町富谷) では、八溝層群の砂岩優勢砂岩頁岩互層を採掘している。土壌層は植生の厚さにも満たない3m前後であるが、そこで形成された水が、その下の岩盤風化帯 (淡褐色の植裁が根づいた部分) の形成に重要な役割を担う。土壌層内でどのような地下水質が形成されるかを考える上で、土壌の構成鉱物を知ることは重要である。

(写真撮影 : 金沢康夫)

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タイトル著者PDF
八溝山地大子地域の足尾テレーソに見られる3種類の中期-後期ジュラ紀泥質岩 中江訓 (113-128) 51-04_01.pdf (11,376KB)
八溝山地南部の堆積岩類分布域における土壌の構成鉱物とその起源 関陽児・金井豊・上岡晃・月村勝宏・濱崎聡志・金沢康夫・中嶋輝允 (129-141) 51-04_02.pdf (3,640KB)
Triassic and Jurassic radiolarians from the Tokuyama area, Mino terrane, central Japan Satoru KOZIMA and Makoto SAITO (143-165) 51-04_03.pdf (7,607KB)