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表紙

甲斐猿橋の地質学的立地条件

甲斐猿橋の地質学的立地条件  山梨県大月市の猿橋は,紀元7世紀頃に初めて架けられたと言い伝えられてきた奇橋であり,古くから甲斐国かいのくにの要衝であったことが知られている.桂川かつらがわの侵食によって生じた深い峡谷ゆえに,両岸から四層の刎木はねぎをせり出して支持している.一方,峡谷には丹沢地塊を構成する猿橋デイサイト質火砕岩類(8〜7 Ma)が露出しているが,橋の南端部(写真右手)のみ,河成礫層と玄武岩質溶岩に覆われている.後者は約9000年前の富士火山の噴火に由来し,当時の河谷を埋めながら流下してきた大規模溶岩流であったと解釈されている.

(写真 ・文:七山 太 産総研地質調査総合センター 地質情報基盤センター/
ふじのくに地球環境史ミュージアム)

目次

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タイトル / 著者PDF
表紙・目次・裏表紙 甲斐猿橋の地質学的立地条件 / 七山 太 7MB
p.191-195 自然由来重金属類の濃度分布とそれに関わる環境因子の情報を公開 ―九州地方における表層土壌の環境が人に及ぼすリスクを見える化― / 原 淳子・川辺能成 1.8MB
p.196-199 「日光白根及び三岳火山地質図」を刊行日光白根火山周辺の噴火史と火口位置が明らかに / 草野有紀・及川輝樹・石塚吉浩・石塚 治・山元孝広 1.1MB
p.200-220 国の内外でパワフルな活躍をされた地質調査所時代の大先輩,平山次郎氏の生涯と業績(中編) / 徳橋秀一・柳沢幸夫 8.6MB
p.221-222 ニュースレター 「20万分の1 日本シームレス地質図の主要編集者が文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)を受賞」 1.4MB