平成9年度活断層調査 トップへ

上町断層系住之江撓曲

位置図

   堺市の大和川南岸で群列ボーリングと S 波による高分解能反射法探査を行った結果、約13万年前の地層が住之江撓曲により33m程上下にずれていることが分かり、撓曲の平均上下変位速度は0.25m/千年程度と見積もられました。
   住之江撓曲が完新世に活動したことを示すデータは得られず、最も新しい断層活動の証拠は天満層上部層基底の傾斜不整合でした。現時点のデータでは、この不整合により示される活動が住之江撓曲の最新活動に当たる可能性が高いと考えられ、その時代は1.3万年前以前と推定されます。
   最新活動が今から1.3万年以上前であったとすると、平均変位速度 (0.25m/千年) と経過時間 (1.3万年以上) から、次の活動に伴う上下変位量は3m以上に達する可能性が考えられます。3mという値は兵庫県南部地震を引き起こした野島断層の最大総変位量 (約2.5m) よりも大きく、断層活動が住之江撓曲だけにとどまらず、上町断層系の他の断層に及ぶ可能性を示唆します。これは上町断層系の場所を考えると大変なことなので、断層系全体にわたって詳しい活動履歴調査を行い、この仮説の当否を検討することが急務と考えられます。


住之江撓曲の反射断面

住之江撓曲の反射断面

第8図  住之江撓曲の反射断面の解釈図