活断層・古地震研究報告  第3号 トップへ

木曽山脈西縁断層帯の活動履歴調査
 -上松断層大木地区におけるトレンチ調査-

宍倉正展・遠田晋次・永井節治・二階堂  学・高瀬信一・橘  徹

木曽山脈西縁断層帯北部、十王沢川左岸の段丘面上に発達するテクトニックバルジにおいて3本のトレンチを掘削した (第1図第2図)。その結果、AT降下 (29ka) 以降に少なくとも4回のイベントが確認でき、活動時期はそれぞれ1,720-680cal yBP、4,260-2,640cal yBP、20ka-7,940cal yBP、29kaより後、と推定される (第3図)。これらのほかに35〜29kaにイベントが生じていた可能性が指摘される。上下変位量は最新イベントで10cm程度、その他のイベントはそれぞれ1m以上と見積もられる。


第1図

第1図. トレンチ調査地点周辺の地形。
国土地理院発行2.5万分の1地形図「上松」を使用。

Fig. 1. Topographic map around the study area.


第2図

第2図. トレンチ調査地点周辺の地形。国土地理院発行2.5万分の1地形図「上松」を使用。

Fig. 2. Topographic map around the study area.

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第3図

第3図. 上松断層大木地区における活動履歴と馬籠峠断層の活動履歴との比較。

Fig. 3. Faulting history at the Oki site on the Agematsu fault and its comparison with those at the Fukutochizawa and Kudaritani sites on the Magome-toge fault.