活断層・古地震研究報告  第2号 トップへ

埼玉県岡部町及び江南町における深谷断層系の活動履歴調査

水野清秀・伏島祐一郎・須貝俊彦・杉山雄一・細矢卓志・山崎晴雄

関東平野北西部に位置する深谷断層系で、群列ボーリング及びトレンチ調査が実施された。岡部町普済寺で行った群列ボーリングでは、少なくとも17.5kaの年代を示す礫層は断層運動によって変形していて、6100-5500 y BPのシルト-砂層もわずかに変形しているようにみえる。江南町丸山で行った江南断層のトレンチ調査では、約5300 yBPの土壌は逆断層で切られていて、約1730 y BPの土壌に覆われている。これまでの調査結果を総合すると、深谷地区及び高崎地区の深谷断層の最新活動時期は縄文時代前期〜弥生時代の間の可能性が高く、江南断層も同時期に活動した可能性が高い。


第1図

第1図. 普済寺における群列ボーリングの地質柱状図。
Fig. 1. Geologic columnar sections at Fusaiji.

地質柱状図


第2図

第2図. トレンチ西側壁面のスケッチ。
Fig. 2. Sketch of the west wall of the Maruyama trench.

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トレンチ西側壁面のスケッチ