活断層・古地震研究報告  第1号 トップへ

関谷断層 (栃木県)

   関谷断層 (第1図) は黒磯市百村地区において、那須野ヶ原扇状地面 (高・低2面) を切っている (第2図)。扇状地上の断層崖周辺の精密地形測量を行った結果、撓曲部を含む低位面の上下変位量は9〜10m、高位面の上下変位量は14〜15mと計測され、変位の累積が確認された。低位面上の断層崖1カ所、高位面上の断層崖2カ所を横切ってトレンチを掘削した。その結果、関谷断層は6世紀の榛名二ツ岳伊香保軽石の降下層準を変位させており、最新活動はこの軽石の降下後であることが確認された (第3図第4図)。また、先行する断層活動が確認され、炭素同位体年代データから、その時期はおおよそBC3千〜4千年頃と見積もられた。

文献


第1図

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関谷断層の位置図


第2図

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黒磯市百村地区における関谷断層の分布とトレンチ掘削位置


第3図

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トレンチB北側壁面の写真とスケッチ及び14C年代値


第4図

トレンチC南側壁面の写真とスケッチ(反転)及び14C年代値