平成11年度活断層調査 トップへ

中央構造線活断層系根来断層 (和歌山県)

   和歌山市上黒谷でトレンチ調査を行った結果、根来断層の最新活動時期は西暦100年頃以降であることが判明した (第7図)。また、歴史記録や遺跡発掘記録に断層や地震跡が認められないことなどから、この活動は少なくとも西暦1200年以前と判断された。最新活動以前の断層活動は、約25,000 14C yrs BPと1,950 14C yrs BPの間に、少なくとも2回あったと考えられる。そのうちの1回は約6,300 14C yrs BP以後の可能性がある。最新活動時期だけをみると、根来断層は西隣の友ヶ島水道断層とは活動時期が異なる可能性が高く、東方の金剛断層とは同時 (あるいは同時期) に活動した可能性がある。今後、根来断層と金剛断層に挟まれた五条谷断層の活動時期を明らかにし、これらの3断層が同時あるいは同じ時期に活動したかどうか検証する必要がある。

文献


第7図

反射法地震探査により検証された深谷断層系の北西延長

第7図  中央構造線活断層系根来断層の上黒谷トレンチ。東側壁面のスケッチ (水野ほか、2000)。