平成11年度活断層調査 トップへ

頓宮断層系 (滋賀・三重県)

   『近畿の活断層』(岡田・東郷編、2000) は、頓宮断層系では後期更新世以降の活動の証拠が認められないとしている。しかし今回の調査の結果、中期更新世以降に活動が停止又は著しく衰えたのは、断層系北部の頓宮断層だけであることが判明した。中部の蛇喰池断層については、伊賀町柘植の断層露頭の詳細調査の結果、約2万4千年前以降に活動したことが確かめられた。また、同町蛇喰池のピット調査では、約1万年前〜1400年前間に活動があったことが分かった (第4図)。南部の喰代断層は後期更新世〜完新世初頭と推定される扇状地面を3m程度変位させていると判断されたが、活動時期を特定するまでには至らなかった。

文献


第4図

頓宮断層系蛇喰池断層の蛇喰池ピット壁面スケッチ(苅谷ほか、2000)

第4図  頓宮断層系蛇喰池断層の蛇喰池ピット壁面スケッチ (苅谷ほか、2000)。