平成11年度活断層調査 トップへ

三方断層及び野坂断層の海域延長部 (若狭湾)

   三方断層と野坂断層の北方延長部周辺を対象として、ユニブームによる音波探査を行った。その結果、三方断層の北方延長は、約1.5kmの間隔で左雁行配列する2つの活断層 (日向断層と更にその沖合の断層) からなることが判明した (第3図)。日向断層は完新世後期の堆積物で覆われた海底面を撓曲状に変位させており、極めて新しい時代 (恐らく1662年寛文地震時) に活動した可能性が高いと判断された。

   野坂断層の北西延長は海岸から約3.6km沖まで追跡された。そこから北西約4kmの区間では音響基盤が露岩するため、断層を検出できなかったが、その沖合では再び、野坂断層の延長部に海底活断層が認められ、海上保安庁水路部 (1980) が報告している海底活断層 (断層変位が海底にまで達する) に連続することが確かめられた (第3図)。

文献


第3図

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三方五湖沖若狭湾の活断層分布

第3図  三方五湖沖若狭湾の活断層分布 (小松原ほか、2000)。EW1等が今回の探査測線。沖合の活断層は海上保安庁水路部 (1980) による。