地質調査総合センター研究資料集、 no. 604

化学式の元素組成と式量を求めるプログラムformulaweight
formulaweight - a program for getting composition of elements and formulaweight of chemical formula

竹野直人1*
Takeno Naoto

Correspondence
*1活断層・火山研究部門(AIST, Institute of Earthquake and Volcano Geology)

内容紹介:

化学平衡や反応速度をモデル化して計算するソフトウェア、たとえばGeochemist's WorkbenchやTOUGHREACTなどは固有のフォーマットの化学データベースを使用している。これらのモデルの計算結果はそれぞれのデータベースに依存するので、結果の妥当性評価の目的でデータベースを他と入れ替えて比較することがある。データベースの化学種はしばしば百種を越えることから、フォーマットの変換を手作業で行うのは非常に能率の悪い作業であり、コンピュータを利用するのが適当である。本プログラムはこのような背景のもとで、TOUGHREACT v。2 の化学データベースファイルをGeochemist's Workbench データベースファイルに変換するためのプログラムの一部としてプログラミング言語LISPを用いて作成された。その機能は化学式を解析して元素組成および式量を求めることで、こうした汎用性のある関数であれば一般の利用に供することも有用であろうと考えてここに公開するものである。本プログラムはLISPのインタープリタ環境で実行する。計算に用いている原子量はIUPAC Technical Report (Wieser et al.2013) に基づく。利用に際し基本的にLISPの知識は必要としないが、LinuxまたはWindows環境でのコマンドの実行にかかる知識を前提とする。

本研究資料集に収められたファイルは下記の通りです。

  • gsj_openfile_604.zip(209KB)
    • ReadMe.txt(2KB)
    • ReadMe_sjis.txt(2KB)
    • formulaweight.pdf(207KB)
    • linuxディレクトリ(29KB)
      - formulaweight.lsp
      - formulaweight.bat
    • windowsディレクトリ(20KB)
      - formulaweight-wn.lsp
      - formulaweight.bat

受理日:2014年6月2日

June 2, 2014

参考文献:

Wieser, M. E., Holden, N., Coplen, T. B., Bohlke, J. K., Berglund, M., Brand, W. A., Bievre, P. D., Groning, M., Loss, R. D., Meija, J., Hirata, T., Prohaska, T., Schoenberg, R., O'Cornnor, G., Walczyk, T., Yoneda, S. , and Zhu, X. (2013) Atomic weights of the elements 2011 (IUPAC Technical Report), pure Appl. Chem., 85, 5, 1047-1078.