GSJニュースレター No.5  2005.2
国際デルタ会議開催される(2005年1月10日〜16日 ベトナム・ホーチミン市) 斎藤 文紀 (地質情報研究部門)
写真1 津波セッションで発表する七山 太氏.
写真2 メコンデルタの河口州の泥干潟に上陸したポスト巡検.
 「国際デルタ会議:地質モデリングと管理」が2005年1月10日〜16日にベトナムホーチミン市で開催された.同会議は,IGCP-475「モンスーンアジア太平洋地域のデルタ」とAPN「アジアの大規模デルタ」の第2回年会,CCOP DelSEAプロジェクト「東南アジアと東アジアのデルタにおける統合的地質アセスメント」の第1回会合の合同会議で,ベトナム科学技術院(VAST),地質情報研究部門,新潟大学の共催で実施された.2004年12月にAISTとVASTとの間で締結されたMOU後の最初の会議であることから,Dang Vu Minh院長による歓迎の挨拶から会議が開催された.参加者は,イラン,パキスタン,インド,バングラデシュ,スリランカ,タイ,マレーシア,インドネシア,ブルネイ,フィリピン,カンボジア,中国,中国(香港),韓国,日本,オーストラリア,米国,カナダ,英国,ドイツ,フィンランド,ポーランド,オランダから72名,ベトナムから31名で,合計で103名が参加した.

 会議では,メコンデルタを中心に,流域から沿岸域すべてを対象に,デルタの変遷から現在の変容まで,また自然現象から人間活動の影響や適応策や対応策まで,デルタを取り巻く様々な環境変化が報告された.また,12月に起こったインド洋大津波の特別セッションが急遽設けられ,地質情報研究部門の七山 太氏による日本での研究の紹介(写真1)に引き続いて,参加者全員による黙とう,インド,スリランカ,タイの参加者から津波の報告がされ,地質災害に対してどのような取り組みが行われるべきか討議された.前後に行われた巡検は,プレ巡検が信州大学の北沢俊幸さん他の案内でホーチミン市北部に分布する離水した浅海成更新統のデルタ/エスチュアリンの堆積物で参加者が51名,ポスト巡検は,本会議の現地ホストでもあるVASTの地理副研究所のNguyen Van Lapさん他の案内でメコンデルタの地形と堆積物を対象に行われ(写真2)参加者は69名であった.

 次回以降の会合は,2006年1月にブルネイ,2007年1月にバングラデシュのダッカ,2008年1月に中国の上海/青島で開催されることになった.



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GSJニュースレター No.5 2005.2
(独)産業技術総合研究所地質調査総合センター
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