GSJニュースレター No.4  2005.1
スマトラ沖地震への対応について  地質調査企画室
 2004年12月26日にインドネシア・スマトラ島の北西沖で発生した地震は,地震の規模がマグニチュード9.0 (米国地質調査所) と非常に大きく,インド洋全域に大きな津波被害をもたらしている.1900年以降,マグニチュード9以上の地震は今回を含め5例目だが,津波により広い範囲に被害が及び,現地では津波が知られていなかったこともあり,過去に例を見ない多数の被害者を生んでいる.

 今回の地震は,プレート境界で発生する「海溝型」と呼ばれるもので,津波を伴うことが知られている.日本周辺でも,先日の根室半島南東沖地震や,昨年の十勝沖地震等多く発生していることから,地質調査総合センターでは活断層研究センターを中心に研究を進めており,世界的なレベルに達している.

 今回の地震の直後,活断層研究センターは地震により発生した津波のシミュレーションを行い,津波が時速700kmの高速で,インド洋に広がっていく様子を再現した(http://staff.aist.go.jp/kenji.satake/Sumatra-J.html).この報告は大きな反響をよび,主要全国紙にカラーで掲載されると共に,ほぼ全てのTVキー局でアニメーションが放映された.一方,地震直後に日本各地で地下水位の変化が観測されたこともいち早く報告された(http://www.aist.go.jp/RIODB/gxwell/GSJ/index.shtml).また,今後は緊急調査や国連防災世界会議における緊急セッションなどにも参加の予定である.

 今回のスマトラ沖地震では,津波警報システムの欠如,津波そのものに対する知識がなかったことから大きな被害を生じている.地質調査総合センターでは,このことを大きな教訓ととらえ,緊急調査・緊急対応のみならず,中長期的な視野にたって被災地等の現地に根付く調査研究,技術協力・人材育成に貢献したいと考えている.

活断層センター 佐竹副センター長によるスマトラ沖地震の津波伝播図(単位は時間,★は震源,●は余震)

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GSJニュースレター No.4 2005.1
(独)産業技術総合研究所地質調査総合センター
GeologicalSurvey of Japan,AIST