GSJニュースレター No.4  2005.1
CCOP地質見学会  笹田 政克(深部地質研究環境センター長)
写真 西光院を見学するCCOP参加者
 筑波山から稲田にかけての花崗岩と,その沿道で接することのできる日本文化をテーマにして,11月18日に1日の巡検を行った.

 60名の参加者が大型バス2台に分乗し,はじめに向かった場所は筑波山の裏手にある西光院である.西光院は平安時代初期に開山された名刹で,急斜面に懸造りされた本堂からの八郷盆地の眺めは素晴らしく,関東の清水寺とも言われている.ここを訪れたのは,実はこのすぐ近くの別の斜面に,天然記念物に指定された小判石と呼ばれる球状岩があるからであった.杉木立の中,小道を下ること数分で,岩清水のしたたる苔むした露頭の前にでる.表面が風化しているため一見どんな石か分かりにくいが,よく見ると表面に湾曲した窪みがいくつも並んでいる.当日は球状岩がどのような石か理解していただくため,片面を研磨した標本を持参して,世界的にも珍しい菫青石等からなる球状岩について説明した.   

 次に訪れたのは,稲田で一番大きな中野組石材工業株式会社の石切り場である.ここでは地下40mの深さまで石の切り出しが行われており,一行は見晴らしのよい場所から花崗岩の生産現場を見下ろし,石材の切り出しと石材工業の推移について意見を交わした.稲田ではもう1ヶ所,株式会社タカタが石材生産の百周年を記念して建てた石の百年館を見学した.この展示資料館では,花崗岩の生産が行われた石切り場の歴史を,いろいろな工具の実物を用いて説明している.

 午前中に地質の見学を終えた参加者は,笠間工芸の丘での昼食後,笠間稲荷の参道前にある造り酒屋笹目酒造で利き酒を楽しんだ.どうもこれが今回の見学会の中では一番好評であったようだ.帰りのバスの中はお酒の話題で盛り上がっていたが,やがて静かになり,快いまどろみを乗せたバスは常磐道をすべるように走行し,小雨の降り始めたつくばのホテルに到着した.

 当日の案内は西岡芳晴,高橋 浩,大久保泰邦,八木淳子と私の5名が担当した.

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GSJニュースレター No.4 2005.1
(独)産業技術総合研究所地質調査総合センター
GeologicalSurvey of Japan,AIST