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地質標本館平成19年度 夏のイベント

夏休み体験学習「化石のクリーニング体験」
辻野 匠(地質情報研究部門)


写真1 「博物館実習」の大学生がクリーニングの指導をする様子.

写真2 化石を鑑定する尾上 亨博士.

 2007年8月24日(金)に地質標本館で夏休み体験学習「化石のクリーニング体験」が開催されました.これは1991年以来,ほぼ毎年行なわれている恒例のイベントです.題材とする原石は栃木県那須塩原市の塩原層群(約30万年前の湖成層)の頁岩で,これにタガネをあててハンマーで割り,きれいな木の葉化石を見つけます.たいてい化石の一部がまだ覆われているので,覆っている石を丁寧に取り除きます.これをクリーニングといいます.ここまでを「博物館実習」の大学生が指導しながら行います(写真1).最後に木の葉の化石は参加者と講師が一緒になって鑑定し,どの種類かを決めます.

 当日は,地質標本館で塩原層群の植物化石を研究されてきた尾上 亨博士と辻野の二人で鑑定の講師をしました(写真2).このイベントには54名の参加者が挑戦しました.例年よりも若干少な目ですが,そのぶん個々の参加者には詳しく説明できました.逆に子どもたちの興味や発見は私達にとっても学びの機会です.また,塩原の木の葉化石のよいところは石が軟質で子どもでも安全に取り扱えること,化石が全て現生種なので出てきたものを直接生きたものと比べられることです.このイベントによって地質・化石や身近な自然に親しみをもつきっかけになったとすれば,運営している私達にとっても大きな喜びです.






地球何でも相談
坂野 靖行・中島 礼・利光 誠一・中澤 努・兼子 尚知(地質情報研究部門)・
奥山 康子(地圏資源環境研究部門)・青木 正博・酒井 彰・宮地 良典(地質標本館)


写真 会場の様子.

 2007年8月25日(土)に地質標本館ホールで「地球何でも相談」が開催されました.これは夏休みに採集した岩石・鉱物・化石などの標本の鑑定を指導することで,小中学生に夏休みの自由研究などのお手伝いをしてあげようということで始まったイベントです.例年,旅先で採集した標本や自由研究のためわざわざ出かけて採集してきた標本が持ち込まれます.中にはこのイベントを当日知って,産総研内の敷地で拾った石を持ってきた方もいましたが…….今年は岩石6件,鉱物8件,化石5件の相談がありました.ここ数年は,午前中には相談が結構あるのですが午後にはかなり少なくなるといった傾向があり,昔に比べて相談者の数が減っているのがやや残念です.

 印象に残った相談例をいくつか紹介します.朝一番で来館された方は,福島県西会津町宝坂産のオパールを持ってきました.自由研究の材料としたいがどのようにまとめたらよいかとのことです.オパールの多くはゆで卵の白身のような白いものですが,中には虹色の光彩を示す美しいものもありました.そこで,まずいろいろな色があることを観察してもらい,代表的なものをスケッチすることを勧めました.その後で周辺の地質,海底火山と熱水系,オパールのでき方などについての説明を行いました.茨城県茨城町からこられた方は,家の基礎にした石を持ってきました.その中の一つは牛乳ビン大の水晶!だったので驚きました.おそらく比較的近くにある高取鉱山のズリが用いられたのでしょう.つくば市内の方が持ってきたのは産地不明の石です.石好きの御一家のために知人がくれたとのことです.その内の一つは粗粒なざくろ石黒雲母片麻岩でした.この石は南極の昭和基地付近に分布する先カンブリア時代の片麻岩と大変よく似ていました.南極観測隊関係者からお土産としてもらった石なのかもしれません.いずれの場合も熱心に質問するのは子供ではなくそのご両親であったのが印象に残りました.

 例年よく持ち込まれる標本としては,霞ヶ浦周辺に分布する第四紀層からの貝化石,高取鉱山産の鉱物,大洗海岸の円礫があります.大洗産のものでは火山岩中の空隙に産した焼餅石状の緑れん石がありました.このように採集地は茨城県内のものが多いのですが,遠いところでは北海道や小笠原諸島父島で採集した石を持ってきた方もいました.北海道芦別で化石を採集した方は,ガイド案内による採集ツアーに参加したとのことで,鑑定の結果,アンモナイト(ゴードリセラス)とイノセラムスであることが分かりました.

 この日は地球なんでも相談と並行して,地質標本館に博物館実習で訪れている大学生が恐竜折り紙などのサブイベントで来館した子供たちに対応しました.恐竜折り紙は子供たちに大人気で,実習生たちの丁寧な指導により上手に折り紙を作り,記念に持ち帰っていました.

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