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サイエンスアゴラ2006参加報告
目代 邦康・青木 正博(地質標本館)


写真:サイエンスカフェに関するポスターセッションの様子.




 ここ数年,科学者・技術者と市民との双方向コミュニケーションの試みが各地で展開されています.第三期科学技術基本計画においては,科学・技術の研究は、社会・国民に支持される必要があると述べられています.現在,各地で行われている様々なサイエンスコミュニケーションの活動を俯瞰し,それを実践している組織あるいは個人のネットワークづくりを狙って,“サイエンスアゴラ1)”が,2006年11月25日から27日までの3日間,お台場の東京国際研究交流大学村を会場として開催されました.サイエンスコミュニケーションとは,最先端の科学を扱う研究者と一般社会との間を繋ぐものであり,その内容・方法は,多岐にわたります.研究者による研究成果の論文,書籍による公表や講演会はもとより,研究者と市民が直接話し合える場としてのサイエンスカフェの活動や,科学をわかりやすく伝えるためのサイエンスショー,あるいは,政策決定のためのコンセンサス会議など様々です.このサイエンスアゴラでは,科学のかかえる問題やサイエンスコミュニケーションに関するシンポジウム,吉川弘之国際研究交流大学村村長(産総研理事長)らによる講演,サイエンスコミュニケーションの実践に関するワークショップ,ポスターセッション,一般の人も参加できる体験型イベントなどが行われました.集まったのは,研究者,技術者,科学系NPO関係者,科学館・博物館関係者,理科教育関係者,ジャーナリスト,企業や研究所の広報担当者など,様々なバックグラウンドを持つ人たち,約2000名でした.筆者らは,地質情報研究部門の小泉直嗣氏に話題提供をしていただき,地質標本館をふくむ産総研広報部と地震地下水研究グループで行ったサイエンスカフェ(2006年10月)から得た教訓などについて,ポスター発表をしました.会場は,日本各地で実施されたサイエンスカフェの実施例が19件発表されていて,各団体と情報交換を行い,ノウハウの共有をはかることができました.

 サイエンスコミュニケーションの活動が各地で活発に行われ,また,サイエンスアゴラのようなイベントにこれだけの人が集まったのは,科学情報を発信する側と受け取る側の双方が,より良いコミュニケーションを模索しているためと思われます.一時的な科学情報を持つ研究者は積極的にサイエンスコミュニケーションに取り組んでいくことが求められています.サイエンスコミュニケーションは,研究者と市民とが向かい合う場であり,研究者には,社会の中での「科学」のありかたについて考えるきっかけを与えてくれるでしょう.

1)アゴラはギリシャ語で広場という意味






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