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サイエンスカフェ裏話
小泉 尚嗣(地質情報研究部門)


写真:サイエンスカフェの本番の様子.設定した質問に対して挙手で答えてもらっているところです.

 2006年10月20日に,毎日新聞主催,産総研共催の「サイエンスカフェ」で講演(?)を行ってきました.詳細については,地質ニュース等で報告する予定ですので以下は本番前後の状況と私の感想です.

 研究者と市民が,リラックスした雰囲気で科学について語り合う「サイエンスカフェ」に「地下水観測による地震予知」について話題提供をしてくれないかと,地質標本館の青木館長に誘われたのは7月のことでした.一般の方を対象にして,同様な内容で,過去に何度か講演をしたことがあり,広報部や標本館のお役にたてるならと比較的気軽に引き受けました.

 本番1週間前である10月13日に地質標本館で行われたリハーサルには,標本館の職員と広報部のメンバー数十名が参加し,せいぜい10名程度の参加であろうと思っていた私の度肝を抜きました.つまり,地質の専門家から一般の人に至るまでの聴衆を前にして話をしなくてはならなかったわけで,本番よりもこのときは緊張しました.予想通り,専門家たる標本館職員からも,一般人代表たる広報部メンバーからも講演内容に対して鋭い質問や指摘が出され,私は冷や汗をかきました.いただいた意見を参考に,手直しをすることを伝えました.しかし,広報部の若手メンバーは,さらに熱心で(あるいは私の講演内容に不安を抱いたのか),「もう一度最終チェックをさせてください」といわれ,本番前日にこの若手メンバー3名を前にリハーサルをすることとなりました.研究発表前に2度もリハーサルをやったのは,学生時代を除けば初めての経験で,サイエンスカフェに対する広報部の意気込みを知ることができました.

 上記のリハーサルのおかげで,本番での講演内容や質疑応答について,参加者の方々には好評だったようです.私自身も手ごたえを感じました.気軽に引き受けた割には,いろいろと大変でしたが,サイエンスカフェに来られた一般の方だけでなく,標本館の職員の皆さんや広報部のメンバーと,自分の研究内容について議論できたことは私にとって大きな財産だと思います.今回のサイエンスカフェは産総研にとって初めての試みということですが,今後も引き続きこのような取り組みが続くことを願っています.





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