GSJニュースレター NO.25 2006/10

地質地盤情報協議会 第3回意見交換会報告
斎藤 眞 (地質調査情報センター)

 ボーリング情報を社会共有の資産として,データベース化を進めることを目的とした地質地盤情報協議会第3回意見交換会が,2006年9月11日の午後,丸の内サイト会議室で開催されました(写真).出席者は32名で,うち22名が産総研外の出席者(政府,自治体,企業)でした.本協議会は産総研コンソーシアムとして,企業等の参加者から会費を集めて行われているものです.

写真:質問に答える千葉県環境研究センター楠田氏(中央奥).


 栗本史雄協議会会長(地質調査情報センター長)の趣旨説明のあと,

「ボーリングデータベースに対する地盤工学会の最近の取り組み」
 基礎地盤コンサルタンツ(株) 藤堂博明氏

「千葉県地質情報インフォメーションバンクの経緯と現状について」
 千葉県環境研究センター地質環境研究室長 楠田 隆氏

「地質調査情報センターのコアライブラリーについて」  事務局 角井朝昭

「関西圏地盤情報ネットワークに至る経緯と今後」
 (財)地域地盤環境研究所 山本浩司氏

の発表が行われました.

 これらの発表で,地盤工学会等を中心に各地でボーリングデータのデータベース化が行われているものの地域によって温度差がかなりあること,公的機関のボーリングデータは比較的集めやすいものの,民間のデータを集めることは,かなり難しいことが見えてきたようです.そして,ボーリングデータの収集には,個人情報,著作権,その他の権利などの問題が出てくることから,社会に残すべき財産と考え,法制化しなければデータは集められない,などの意見が出されました.

 総合討論では,今後の法制化を見据えた方針について議論され,強制的にデータを提供させる強制法規の部分と任意提出の部分が並立するのが現実的という事務局案が地質調査情報センターから出され,今後検討していくこととなりました.また,データベースは後のデータ登録等のメンテナンスが重要で,その予算確保についても検討すべきとの意見が出されました.

 次回は,2006年11月13日に今回と同じ丸の内サイトで,法律の専門家の講演を交えて行われる予定です.興味のある方はぜひ本協議会にご参加ください.

URL:http://www.gsj.jp/Sgk/index.html

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