GSJニュースレター NO.22 2006/7

つくばGISサロン開催
宝田 晋治 (地質調査情報センター)


写真:第1回つくばGISサロンの様子.手前は,発起人の村山教授.

 2006年7月12日に,筑波大学総合研究棟において,第1回つくばGISサロンが開催されました.つくばGISサロンは,つくばを中心とする各研究機関のGIS担当者が集まり,GISに関する情報交換を行う目的でスタートしました.筑波大学の村山祐司教授(地理情報システム学会長)が発起人で,株式会社パスコとESRIジャパン株式会社が事務局となっています.最近では,GISに関する発展は目覚ましいものがあり,国土地理院の電子国土,防災科研の地すべり地形分布図データベースなど各種のWebGISサービスがつくばの研究所で始まっています.地質調査総合センターでも,今年の3月からは地質情報インデックス検索システム(G-INDEX)によるWebGISサービスが始まっています.また,8月からは,地質調査総合センターが出版している各種の地質図類を高度に閲覧検索活用することができる「統合地質図データベース(GeoMapDB)」の公開が始まる予定です.

 第1回つくばGISサロンには,筑波大学,東京大学,国土地理院,国立環境研究所,土木研究所,農業環境技術研究所,農村工学研究所,防災科学技術研究所,産総研のGIS関係者,パスコ,ESRIジャパンの方々など約30名が集まりました.産総研からは,村上(裕),古宇田,川畑(大),宝田の4名が参加しました.始めに,事務局パスコの関口氏,筑波大学の村山氏,パスコGIS総合研究所の島村氏,ESRIジャパンの佐藤氏による挨拶がありました.つくばGISサロンの目的として,(1)話題提供・相談の場,(2)話題の共有・相互の協力関係を築くこと,(3)連携を深め,先進的なGIS理念を創造すること,(4)新しいサービスの可能性をさぐること,(5)新しい事例,技術を紹介することなどが示されました.開催頻度は四半期に1度程度開催し,開催場所は持ち回りにすることを確認しました.その後,各参加者の自己紹介,現在取り組んでいるGIS関連の仕事の紹介などがありました.

 次に,ESRIジャパンの山澤氏よりGeography Network Japanの概要紹介が行われました.各研究所でWebGISサーバを立ち上げ,そのメタデータを登録しておくことにより,各研究所のデータを,互いに重ね合わせて利用できることなどが紹介されました.その後,筑波大学の玉尾氏より,昨年10月1日より始まった筑波大のGeography Networkの紹介がありました.学内データの整備,情報の共有化と利用,情報発信のために導入したものであり,大学全体で使用できるサイトライセンスを購入し,すべての学生が,専用のWebページからArcViewをダウンロードして各自のパソコンにインストールして使えるようになっているそうです.現在までに,すでに2,000人がダウンロードしており,999人まで同時使用可能になっています.また,パスコの関口氏より,航空機センシングによるGPS/IMUの紹介がありました.パスコでは,5〜8cm解像度の航空写真とDEMを用意しており,各種の情報と重ね合わせることにより,高度に利用できることが紹介されました. 最後に,村山氏より,ボトムアップをどのように図るか,持続的なサロンにするためには,どうしていけば良いかなどの話がありました.次回は11月ごろに開催予定です.

 現在,つくば地域の研究機関では,各種のさまざまな情報がWebGISにより情報発信されるようになってきています.しかし,現状では,個々のサービスにとどまっており,各研究所のサービスが連携してより高度に情報提供を行うところまでは来ていません.このつくばGISサロンにより,今後つくば内の研究機関の連携が深まり,より良い情報提供を行うことが可能になればと思っています.

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