GSJニュースレター NO.22 2006/7

アジアオセアニア地球科学会(AOGS)第3回年会ブース出展報告
渡辺 真人(地質調査情報センター)
 

写真:ブースで説明する様子.

 2006年のAOGSは7月10日から14日まで2005年・2004年と同じくシンガポールのSUNTEC国際会議場で開催された.本国際会議も第3回目となり,参加者総数が700名を超え,アジアにおける地球惑星科学の学会として広く定着しつつある.GSJは第1回より展示ブースを出展し,多くの研究者が発表を行い,本学会を支援してきた.

 今回の展示では,地質関連4ユニットの研究と地質調査情報センターの役割を紹介するポスター,2003年に発行された300万分の1東アジア地質図を掲示するとともに,CD-ROMの地質図のデモを行った.また,英語版のパンフレットを配布するとともに,GSJの各種Website (RIO-DB,地質文献データベースなどへの入り口を含む)のURLを記した名刺を配布した.これによりGSJのWebsiteや各種データベースへの国外からのアクセスが増加することを期待している.

 会期中約120名の人にブースへ立ち寄ってもらった.とくに参加者の興味を引いたのは,GSJにおいてどのように地質情報を一般に公開しているかという点であった.今回のポスターで展示されている,活断層活動確率予測図の元となったデータやシームレス地質図がWebで自由にアクセスできることについては,一様に大変良いことであるとのお褒めの言葉をいただいた.他にどのようなデータに一般の人がアクセスできるのかについて聞かれることが多かった.日本は地震,火山,地滑りなどの地質災害が頻発する点でアジアの多くの国と似た状況にあるため,どのように地質情報を公開していくかという点でアジア各国から注目されていると感じた.

 今回掲示した300万分の1東アジア地質図はOBの寺岡・奥村両氏の編集によるものであるが,是非購入したいという希望を10人弱の方からいただき,購入先を案内した.この地質図の前で参加者同士が議論をすることもあった.来年はタイのバンコクでの開催が予定されている.日本,米国,韓国,中国,台湾などの参加者が目立つAOGSであるが,バンコクへの開催地変更により東南アジア各国からの参加が促進されることを期待したい.


/↑up / Contents / ニュースレターTop / GSJホーム /

独立行政法人産業技術総合研究所
地質調査総合センター