GSJニュースレター NO.17 2006/2

第4回地質調査総合センターシンポジウム in 震災対策技術展(神戸)
-次の南海・東南海地震にどう備えるかについて提言-
下川 浩一 (地質調査情報センター)


シンポジウム会場の様子.

 2006年1月17日(火)13時30分より,神戸国際展示場3階の会議室において,第4回地質調査総合センターシンポジウム「次の南海・東南海地震にどう備えるか」が開催された.本シンポジウムは,同日から2日間開催された第10回「震災対策技術展」神戸会場内で同時開催されたものである.同展示会には,地質調査総合センターもブースを出展しており,当日展示会場に来られた多くの方も,このシンポジウムに参加された.また,第1回〜3回の地質調査総合センターシンポジウムはいずれも東京で開かれており,今回が関西で最初の開催となった.以下に当日のプログラムと内容を示す.


13:30-13:35 
主催者挨拶  下川浩一(地質調査情報センター)
 産総研と地質調査総合センターの紹介,及び今回の企画の趣旨として,地震対策を考えるにあたり足元の地下に興味を持つことから始めてほしいということが述べられた.

13:35-14:05
地下水・温泉水観測による大地震予測-南海・東南海地震と内陸大地震を対象として-
小泉尚嗣(地質情報研究部門地震地下水研究グループ長)
 南海・東南海地震や内陸大地震の発生予測精度向上のために,1995年兵庫県南部地震以降実施している,地下水・温泉水の総合観測の現状と成果が紹介された.

14:05-14:35
遺跡に刻まれた南海・東南海地震の歴史
寒川 旭(産学官連携推進部門関西産学官連携センター)
 過去に発生した南海地震や東南海(東海)地震についての文字記録と考古学の発掘調査から得られた資料を詳しく調べることにより,将来の大地震を予測することができるという話があった.

14:35-15:05
南海地震を想定した大阪湾周辺の地震動の予測
吉見雅行(活断層研究センター地震災害予測研究チーム)
 遠くない将来の発生が懸念される南海地震を対象にした,数値計算による大阪湾周辺の地震予測の現状と成果について紹介があった.

15:05-15:15

休憩

15:15-15:45
地震動による様々な地盤災害
原口 強(大阪市立大学大学院理学研究科)
 国内外で発生した地震地盤災害の事例をもとに,都市域で予想される地震動に伴う地盤災害の紹介があり,特に,土地改変による人工地盤の液状化被害や丘陵地の盛土地盤に集中する斜面災害の実態が詳しく述べられた.

15:45-16:15
必ずやってくる巨大地震に備えるために -三重県の取り組み-

細野 浩(三重県防災危機管理局地震対策室長)
 防災に関する県民意識調査の結果,地震への関心は高まっているものの,住まいと耐震化や家庭内備蓄などの対策は半数以下にとどまっていることから,地域防災力の向上に繋げていくための活動について紹介があった.

16:15-16:30
質疑応答
 質疑応答では,南海・東南海地震の規模についての繰り返しパターンや,三重県での要介護者への対策,長周期地震と液状化との関係,地下水観測の今後の展開など,様々な質問があり,各講演者にはそれぞれについて丁寧にご回答いただいた.



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