GSJニュースレター NO.17 2006/2

第3回国際デルタ会議,ボルネオ島ブルネイ大学で開催される
-IGCP-475 DeltaMAP と CCOP DelSEA プロジェクトの合同会議-
斎藤 文紀 (地質情報研究部門,IGCP-475 DeltaMAP共同代表,CCOP DelSEA代表)


写真1:中新統のデルタ堆積物の説明をするブルネイ・ダルサラーム大学のLambiase教授.
写真2:ツルサンデルタの河口州に上陸.中国の陳教授とオランダのHoogendoorn博士.


 第3回国際デルタ会議が2006年1月13〜19日にボルネオ(カリマンタン)島のブルネイ・ダルサラーム大学において開催され,14〜16日には研究発表,17〜19日には,ブルネイとマレーシアに分布するツルサンデルタとダラムデルタの巡検が行われました.国際デルタ会議は,IGCP-475「モンスーンアジア太平洋地域のデルタ:DeltaMAP」の第3回年会とCCOP DelSEA
プロジェクトの年会の合同会議として行われ,17ヶ国から80名が参加しました.参加者の内訳は,日本10名,韓国2名,中国8名,バングラディシュ4名,インド5名,ベトナム3名,カンボジア1名,インドネシア1名,マレーシア1名,フィリピン1名,タイ1名,ドイツ1名,オランダ1名,オーストラリア1名,カナダ1名,米国4名,ブルネイから開発省の副大臣を含めて約30数名,今回のホストは,ブルネイ・ダルサラーム大学石油地球科学教室のJoe Lambiase教授です.

 合計5回予定されているデルタ会議のなかで,今回の会議は唯一大陸の大規模デルタではない,島嶼のデルタで開催された会議です.ボルネオ島から海域に運搬される土砂量は年間9.1億トンと推定されており,この量は,長江,メコン河,紅河(ホン河)の土砂量を加えたよりも多く,多量の土砂が海域に供給されています.東南アジアからオセアニアにかけての島嶼からは,世界全体の海域への土砂量のうち,20〜30%にも及ぶ量が運搬されていると考えられており,また熱帯雨林やマングローブを反映して多量の有機物もいっしょに海域に運ばれています.ボルネオ島やその周辺海域から産する油田も,中新統のデルタの堆積物が貯留岩となっており,陸源の有機物に由来すると考えられています.この地域では,中新世以降,大きな気候や沿岸環境の変化がないことから,巡検では,現世のデルタと中新統のデルタの堆積物を見比べるというコースが組まれ,非常に興味深い巡検でした.

 次回の国際デルタ会議は,2007年1月中旬に,バングラデシュのダッカで,バングラデシュ地質調査所が中心となって行われる予定です.巡検は,もちろん,ガンジス・プラマプトラデルタです.サーキュラー等は4月以降に発行される予定です.ご関心のある方は,斎藤文紀<yoshiki.saito@aist.go.jp>までお問い合わせください.


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