GSJニュースレター NO.12 2005/9

編集後記   東宮 昭彦(地質調査情報センター)


 お彼岸も過ぎましたが,本号の記事は夏休みのイベントが満載です.小中学生向けのイベントが多い中,アスベスト講演会は社会問題にも対応した企画でした.アスベストの怖さは,影響が何十年も後になって現れることでしょう.スピード化・効率化が叫ばれる世の中ですが,長期的視点で物事を考えるのも大切なことです.第四紀学会などで議論されている地球環境変動の問題はその最たる例でしょう.

 スピード化といえば,8月24日につくばエクスプレスが開業しました.乗ってみて高速かつ快適なのに驚かされました.しかしこの開業の裏で,私が通勤に使っていたバスが運行休止になってしまいました.便利なところとそうでないところの二極分化が進むのも世の流れでしょうか.先日参加した某フォーラムでも,寂れた地域を振興させるためにGISを活用できないか議論されていました.GISの使い方にもいろいろとあるものです.とはいえ,我々にとってGISは地質情報や防災情報の伝達用途が多いことでしょう.

 防災といえば,この1年は大きな災害がつづきました.タイ王国鉱物資源局一行のGSJ訪問も,スマトラ沖地震・津波を受け,防災事業を興すための視察でした.自然災害に備えるには,観測機器だけでなく,分野を担う人材の育成も必要で,古地磁気・岩石磁気サマースクールのような献身的な努力は重要です.また,次世代を担う子どもたちに地球科学へ興味を持ってもらうことも必要であり,様々な「夏休みイベント」はそのために役に立つことでしょう.

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