GSJニュースレター NO.12 2005/9

関西センター一般公開報告
寒川 旭(関西産学官連携センター)


子供科学教室(池田)---液状化なんて変な言葉だけど,実験してみると,なるほどね!
子供科学教室(尼崎)---あれから10年,阪神・淡路大震災を知らない世代も.
 産業技術総合研究所関西センターの一般公開は7月29日に池田会場,8月4日に尼崎会場で行われましたが,癒しロボットの「パロ」ちゃん,電池を作ろう,無重力体感など魅力的な出し物が多く,池田では2,200人,尼崎では630人という多くの市民が訪れました.

地質に関して,池田では,「巨大地震がやってくる」という衝撃的な(?)タイトルで子供教室を行いました.先着順で定員42名の授業を3回でしたが,どれも開始30分前には「満員御礼」という状態でした.自作漫画を使って,地震のメカニズムや,関西で話題の南海地震の解説をした後,エキジョッカー・エッキ-のボトルを配って液状化現象の実体験をしていただきました.南海地震の解説には真剣に聞き入り,”まか不思議”な液状化現象も実際に自分の手で体験してみるとなんとなくイメージが飲み込めたということで,1時間があっという間に過ぎました.また,展示コーナーでは,地質標本館から借用した三葉虫・アンモナイトなどの化石を,外から手を入れて触れる特殊ケースにいれて,文字どおり「化石をさわろう」という出し物で,しばしの間,太古のロマンに浸っていただきました.

 尼崎では,宝塚市消防本部からお借りした起震車で,兵庫県南部地震の震動を体験して頂きました.1回定員4名でしたが,一日中フル稼働という圧倒的な人気で,のべ600人が“怖そうで楽しい”体験にチャレンジしました.同じく「巨大地震がやってくる」というタイトルで子供科学教室を定員25名で2回行いましたが,阪神・淡路大震災を未体験の子供たち,怖い思いをした同伴のお母さんたち,どちらにとっても,楽しくて,ためになる講座になったのではないでしょうか.

北海道センター一般公開報告(2005年8月6日)
中川 充(北海道産学官連携センター)



 GSJ関連のスタッフが3人になった北海道センターでは,それでも昨年好評だったおもしろ体験コーナーでの「おたから岩石鑑定団」(鑑定人2人の最小編成……)を中心に,「アンモナイト化石をさわろう!」や「デスモスチルスの化石-北海道で発見された日本を代表する幻の哺乳動物の化石-」の特別展示等で活躍しました.

 まずは岩石鑑定団,持ち込まれた岩石(鉱物)種は,昨年ほど多くありませんでした.白くて丸い大理石(ホームセンターでよく売られている……),黒曜石,めのう,水晶あたりが定番で,チャート,安山岩や砂岩・泥岩は付近で拾った石を鑑定書欲しさに……といった雰囲気でしょうか.また,構内で拾った石も見てあげるといったら,コンクリート片を持ってきた子供もいました.

 名刺サイズの鑑定書(ラミネート加工をして渡す)発行総数は65枚とほぼ昨年並み,一人で多くの石を(何回かに分けて)持参したケースもありました.これは予想していたことですが,鉱物を石として持参する方(子供だけでなく大人も・・)が多く,パワー・ストーンの威力を感じました.また,化石,珪化木を持ち込む方もいて,限られた人材に冷や汗も…….それぞれ石の産地を訪ねながら鑑定したのですが,自然の環境から自力で得た石を持ち込まれた方はあまり多くない側面を垣間見ることになりました.

 客層は子供単独,親子連れ,大人の順で,昨年よりやや大人が多い印象でした.羽坂が作成したデスモ絵葉書は200を超える売れ行き,GSJや地質図のパンフレット類も昨年より持ち帰る方が多く,身近な大地に関するアピールは一定の興味を持って受け入れられているようでうす.きりきり舞いでは無い程度(交代で昼食を取れる……)の余裕はありましたが,倍増したら応援が必要な状況でした.
 

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