GSJニュースレター NO.10 2005/7

アジア・オセアニア地球化学会(AOGS)第2回年会の参加報告

AOGSにおける産総研地質調査総合センターの展示ブース(店番は森田澄人氏)

 2005年6月20日(月)から24日(金)にわたりシンガポールのSUNTEC国際会議場において「アジア・オセアニア地球科学会」(Asia Oceania Geosciences Society = AOGS)の第2回年会が開催された.この学会は日本の上出洋介氏(名古屋大学)や佐竹健治氏(産総研活断層研究センター)ほかの呼びかけにより2004年に結成されたばかりのユニークな地球科学の国際学会であり,固体地球のみならず気象・海洋,太陽系・超高層,水文,惑星科学を含む広い分野を対象としてアジア ・オセアニア地域に特有な問題を扱う,あるいはアジア ・オセアニアの地球科学研究者の連携を強めることを目的として発足した.今回の会議は口頭発表,ポスター発表,展示,招待講演,そして一般市民向け公開レクチャーから構成されていた.今回の年会では参加者総数が796名で,日本からの参加者数はその29%の234名とトップを占めたとのことである.国別参加者数を以下6位まで挙げると米国99名,インド73名,韓国73名,中国57名,台湾40名の順であった(主催者のデータ).また特に,時宜を得たスマトラ沖地震・津波関連の特別セッションおよびその話題の市民向けレクチャーが大きな目玉となったことはいうまでもなく,AOGSのセクレタリーを務める佐竹健治氏はセッション・コンビーナのみならずスマトラ沖地震・津波についての招待講演も行って大活躍であった.固体地球セッションの一つでコンビーナを務めた脇田浩二氏(地質情報研究部門)をはじめとして,口頭発表とポスターセッションの中で日本人の最大勢力である産総研の研究者達(約20名)が,各々のトピックにおける高度な研究レベルで存在を示していた.

 ここでは,この年会の一環で6月23日まで4日間行われた展示に産総研地質調査総合センター(AIST-GSJ)として展示ブース出展した成果を特記したい.近年の大きな国際学会におけるGSJの英語での展示は,2003年に札幌で開催された“IUGG2003”で行った展示物をお手本としてアップデートするような形をとってきた.今回は,テーマ別に5枚の紹介ポスターを地質調査情報センターにて新しく印刷して掲示したこと,最新版のGSJ英文パンフレットを配布したこと,そしてGSJのCD出版物の見本を受付テーブルに並べて(その場での販売はせず)希望者には地質図カタログCDを進呈という3本立ての内容とした.GSJ参加者の約半数の方々に空き時間でのGSJブースのブース番として協力してもらうことができた.アジアで開かれる国際学会という場においてGSJ(その組織としての活動)の良いPRの機会になったと思う.国外からのCD出版物の注文がこれを機会に増加することが期待される.

 シンガポールという都市国家は,赤道直下に位置して熱帯の気候に置かれているにもかかわらず,多民族国家のメリットを生かして独自の急速な社会的・経済的発展をとげて今日に至り,科学の面でアジアにおける存在を示し始めた状況がAOGS開催に反映されているのだろう.今回はじめてAOGSに参加した私個人の印象であるが,近隣国のタイ・マレーシア・インドネシア・フィリピンなど東南アジアの地球科学研究者たちがもっと多数参加してくるようになれば本当の意味で名称のとおり「アジア・オセアニア」の学会として成熟したものになるのではないかと考えている.

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