GSJニュースレター No.1  2004.
miniDOASシステムを用いた浅間山    風早 康平(深部地質環境研究センター)
 9月1日夜に噴火活動を開始した浅間山において,その後の活動予測のため、9月3日,9月7日,9月8日および9月16日に浅間山から放出される火山ガス中のSO2の放出量観測を実施しました.用いた機器は改良型のminiDOASシステムで車にとりつけ観測を行いました.噴煙の下を数回走行することにより,噴煙のSO2の断面濃度を測定し,同時に測定した風速値を掛け合わせることで放出量を算出します.観測結果はそれぞれ,9月3日:1500 ton/day、9月7日:2700 ton/day,9月8日:1900 ton/dayおよび9月16日:3200 ton/dayでした.9月3日から9月8日までは,噴煙に灰が含まれていませんが,9月16日は間欠的な小規模爆発活動に伴う細粒の火山灰が含まれた噴煙についての観測結果です.これらのSO2放出量値は浅間山ではこれまでに観測されたことがないほど高い値であり,1日あたり数百万トンもの大量のマグマが火道上部に運搬されていることを示しています.

2004年9月16日の中軽井沢周辺における降灰と浅間の噴煙(撮影:太田道子)

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GSJニュースレター No.1 2004.10
(独)産業技術総合研究所地質調査総合センター
GeologicalSurvey of Japan,AIST