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平成14年度活断層・古地震調査の成果概要


上町断層系の補足調査(その2)

−新淀川北岸における追加ボーリングとS波反射法地震探査データの再解釈に基づく
上町断層の活動性評価−

杉山雄一・七山 太・三浦健一郎・吉川 猛・横田 裕・末廣匡基・古谷正和
栃本泰浩・廣瀬孝太郎・横山芳春・北田奈緒子・竹村恵二

上町断層の最新活動時期とその時の上下変位量の限定を目的として,新淀川北岸において追加ボーリング調査と反射法探査データの再解釈を行った.その結果,新淀川付近の上町断層の最新活動時期は9,200〜9,500cal yBPと推定され,最新活動に伴う上下変位量cw1.6〜1.9m以上,約2.4m以下と見積もられた.また,調査地域近傍における既存のボーリングと反射法地震探査の結果から,過去300万年間における新淀川付近の上町断層の平均上下変位速度は約0.3m/千年と見積もられた.これらのデータから,1回の活動に伴う上下変位量を2m,平均上下変位速度を0.3m/千年と仮定すると,上町断層の平均活動間隔は約7千年となる.但し,天満層堆積以降における新淀川付近の上町断層の平均上下変位速度は,過去300万年間の平均上下変位速度よりも小さくなっている可能性がある.その場合には,新淀川付近の上町断層の平均活動間隔は約7千年よりも長いと考えられる.

第1図.大阪市新淀川河川敷における追加ボーリング掘削位置と平成12年度に実施したS波反射法地震探査の測線.国土地理院発行2.5万分の1地形図大阪東北部,大阪西北部を使用. 第2図.新淀川コアの対比総括図.

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第3図.瞬間位相表示による再解釈深度変換断面.測線の位置は第1図参照.

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