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平成14年度活断層・古地震調査の成果概要


大阪平野下に伏在する上町および生駒断層帯の地質学的断層−褶曲モデル

石山達也

既存の地質図,反射法地震探査断面およびボーリングデータ(第1図)を用いて,大阪平野下に伏在する上町断層帯と生駒断層帯の地下構造について検討した.その結果,上町断層帯北部は地殻浅部で低角になるthin-skinned thrust(第2図),生駒断層帯はthick-skinned thrustであり,両者は一連の褶曲−衝上断層帯を構成している可能性を指摘した(第3図).


第1図.(a) 近畿地域の活断層図.活断層の位置は池田ほか編(2002)および中田・今泉編(2002)に基づく.陰影図は国土地理院発行の250mDEMを使用して作成した.図中の略称は以下の通り:OS:大阪市,KT:京都市,NG:名古屋市.図中の星印は1995年兵庫県南部地震の震央位置を示す.

(b) 大阪平野北部の地質図.地質図は尾崎ほか(2000),西岡ほか(2001),宮地ほか(1998)および宮地ほか(2001)を改変.活断層の位置は池田ほか編(2002)に基づく. オレンジ色の太線は,第7図に示す東西地質断面図の投影線である.

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第2図.(a)上町断層を横切るボーリング断面図,(b)断層上盤側での上下変位量の減少を説明する断層の幾何学,(c)反射断面(吉川ほか,1987)の解釈に基づく上町断層帯北部の模式断面図.
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第7図.上町断層帯北部および生駒断層帯の東西模式断面図.模式断面の位置は第1図 (b)を参照.
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