放散虫とは
放散虫は「虫」という字が付いていますが、昆虫などではなく、海の中を漂って生きている動物性プランクトンです。1mmの10分の1から100分の1ほどの小さな生き物で、詳しく観察するには顕微鏡が必要です。殻の間から細長い「仮足(かそく)」あるいは「軸足(じくそく)」と呼ばれる針のようなものを放射状に出しています。 化石の産出状況からみて、放散虫は今からだいたい5億年前のカンブリア紀に出現し、姿かたちを変えながら今日に至るまで絶えることなく続いています。この姿かたちを変えながら生物群として続いてきたこと、殻がガラス質でしかも個体の数が多く化石になって残りやすいことなどから、放散虫は地層の年代を決めるのにとても役立っています。
地質標本館所蔵の放散虫化石の模型
Neoalbaillella ornithoformis Takemura and Nakaseko
後期ペルム紀
後期ペルム紀
Triassocampe deweveri (Nakaseko and Nishimura)
中〜後期三畳紀
中〜後期三畳紀
Striatojaponocapsa synconexa O'Dogherty, Goričan and Dumitrica
中〜後期ジュラ紀
中〜後期ジュラ紀