鉱物・岩石・化石の分類展示

鉱物
鉱物は, 人を含む生物の活動がかかわらずに自然界で生成する, 化学式で表せる化学組成を持った無機物質の結晶です(※わずかな例外もある). 鉱物は化学組成にもとづいて分類されています. 分類は化学的にはもっとも簡単な「単体」(元素鉱物)から始まり, 次第に化学的に複雑なものへと進みます. いろいろな岩石を形作る「造岩鉱物」の代表である珪酸塩鉱物は, 系統分類の最後にあり, 展示室奥のショーケースに展示されています.
「結晶」は鉱物の大事な特性で, それは原子・分子が3次元的に規則的に配列したものです. この特性により鉱物は, それぞれ独自の幾何学的に整った 外形を示すようになります. 第4展示室では鉱物本来の結晶形を示す標本が, 多数展示してあります. 鉱物結晶の形の「美」も, お楽しみください.
岩石
地球は, 岩石からできています. 岩石は, さまざまな大きさと種類の鉱物の粒からなる「集合体」です. 第4展示室では日本の代表的な岩石を, でき方に応じて, 堆積岩・火山岩・深成岩・変成岩に分けて展示しています. 火山岩と深成岩はマグマが冷え固まってできる岩石で, 合わせて火成岩とも呼ばれます. 火山岩はマグマが地表に流れ出たり, 地下のごく浅いところで固まってできます. 深成岩は, 地下何kmもの深さでマグマが固まってできます. 堆積岩は地表に露出する岩石が風化し細かくなった物質が, 運ばれ, 別の場所にたまってできる岩石で, 地層をなして産します. 火山灰からなる地層の岩石, 生物活動や化学的な沈殿作用でできる地層の岩石も, 堆積岩の一種です. 変成岩は, 一度できた岩石が地球自身の運動で最初の場所から 地下深くの高温・高圧の領域に持ち込まれ, その場の温度・圧力に応じて構成鉱物の種類を変えてできる岩石です. 変成岩が存在することは, 地球が活動的であり, 地球表層から内部深くにいたる物質の循環が起きている証拠です.
化石
地球上での生物進化は, 過去から現在・未来に向かう 後戻りも重複もない一方向のプロセスです. このため, 地層をなす堆積岩の中に保存される過去の生物の遺骸―化石―は, 地質の研究者にとって貴重な過去の時間の尺度になっています. 地球上に生命が現れたのは30数億年の昔と考えられていますが, 生物が化石として保存されやすい硬い殻を持つのは, 今から約5億4200万年前のカンブリア紀からです. 第4展示室では主に日本産の化石を, 古生代シルル紀に始まって地質時代に従って展示しています. 日本最古の化石はオルドビス紀の「コノドント」という微化石で, これが含まれる岩石は古生代化石ショーケースの脇に展示してあります.