貨幣石・星の砂・コノドント

目に見えない大きさで, 顕微鏡を使って観察するような生物の化石を微化石とよびます. 石灰質の殻をもつ有孔虫, 石灰質ナノプランクトン, 貝形虫, 珪酸質の殻をもつ放散虫, 珪藻, 珪質鞭毛藻, そして花粉や, 魚の歯のような形をしたコノドントなどがあります. いずれも種の同定をするのに顕微鏡を用いますが, 有孔虫の中には, 直径10cmほどの大きさになるカヘイセキのような化石も含まれます. カヘイセキは, 日本では産出が新生代古第三紀始新世に限られる示準化石です. 南西諸島などに見られる外形が星の形をしている「星の砂」も有孔虫の殻です. コノドントは, 古生代の始まりから中生代三畳紀までの産出が知られている化石で, その正体は長く不明でしたが, 現在ではヤツメウナギと類縁関係のある生物と考えられています. 微化石には, 地層の年代を知ることのできる示準化石として有効なものが多く含まれ, 小さくても重要な化石なのです.