津波堆積物はぎとり
2011年東日本大震災では, 東北日本の太平洋沿岸地域は甚大な津波被害にみまわれました. これは, 地震後に仙台平野においてジオスライサーを用いて採取された地層のはぎ取り標本です. 一番上には, 東日本大震災をもたらした東北地方太平洋沖地震による津波堆積物が地表を覆っています. 黒色の泥炭層に挟まれた砂の層も津波堆積物です. この層の直上に, 915年十和田火山の噴火による火山灰が認められること, および, 直下の泥炭層の年代測定結果から, この津波堆積物は「日本三代実録」という古文書にも記載のある貞観11年, 西暦869年に発生した貞観地震によるものと考えられます.